相続が発生した場合、相続人は準確定申告書を提出します。このとき、予定納税等で被相続人が生前に納付した所得税等がある場合、その一部が還付されることがあります。
予定納税により還付される場合、還付金のほか利子的な性格を有する還付加算金がプラスされ相続人が受け取ることとなります。この準確定申告による場合の還付金及び還付加算金は、相続開始後に発生するものであり、被相続人の相続財産であるといえないことから、相続税の課税価額に算入されないとの見解も存在します。
しかし、国税庁の公表する質疑応答事例によると、被相続人の準確定申告に係る還付金及び還付加算金についての取り扱いは、それぞれ下記の通りとされています。
まず、還付金についてです。還付金は、還付金を請求する権利となる還付請求権により請求します。この還付請求権については、本来の相続財産であり、相続税の課税対象になると考えられています。
その理由として、還付請求権は、被相続人の死亡後に発生するものとして、被相続人の生存中に潜在的な請求権被相続人に帰属しており、これが被相続人の死亡により顕在化したものと解されているからです。よって、この還付金請求権に基づいて取得する還付金は、相続税の対象になるとして取り扱われています。
次に、還付加算金についてです。還付加算金については、相続人が確定申告書の提出によって原始的に取得するもので、被相続人からの相続によって取得するものとは認められていません。
したがって、還付加算金は、所得税(雑所得)の課税対象となり、相続税の課税価額に算入されないものとされています。
(提供:チェスターNEWS)