2019年2月20日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日19日(火)、日銀の黒田総裁は「必要となれば緩和検討」と発言した。日銀にこれ以上の金融緩和策があるとは思えないものの、海外勢を中心に円が売られる展開となった。おそらく効果はないと知りつつも短期勢にとっては円売りの口実にしただけだろう。しかし、タイミング的には疑問が残る。なぜなら現在米中通商協議を行なっており、その後、日米通商協議となるわけだが、米財務省は日銀の金融緩和策が円安誘導していると警告している。昨日19日(火)の発言がアメリカ側を刺激し今回の日米通商協議で、為替条項が導入される可能性が高まったかもしれない。

現在の為替相場の戦略やスタンス

日銀の追加緩和発言や、米中貿易協議の楽観的なモメンタムから米ドル/円は上昇している。上値を追うこともできるが、あくまで短期にとどめておきたい。なぜなら米中通商協議は合意に向けて楽観的な見方が多いようなのでその反動から、セルザファクト的な動きを警戒したいほか、明日21日(木)日本時間早朝4時にはFOMC議事録が予定されているからだ。FOMCの議事録では1月29日・30日開催分が公表されるわけだが、年内の利上げ停止や、バランスシート縮小の早期終了に関してどのような議論がされたのか見極めたい。チャートを見ると上値は引き続き200日移動平均線の111.30円付近、下値は21日移動平均線の差し掛かる109.90円付近が上下のレンジだろう。イベントなどから上下突っ込んでくれる展開があるならついていくが、ブレイクできないようであればレンジ内でうまく立ち振舞うしかないだろう。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。