今週は投資家にとって企業決算とマクロ経済特有のニュースの両方に注目すべき週となるだろう。トランプ大統領は3月1日という米中貿易協議の期限を延長することを決定し、延長している間は関税を課さないと決定したが、協議内容の詳細はまだ明確でない。
投資家はまた、連邦準備制度理事会の パウエル議長の2日間の議会での証言に注目しており政策金利や金融政策についての彼の考えを確認する予定だ。彼は半年に一度の証言のために火曜日に上院銀行委員会、水曜日に下院金融サービス委員会で発言することになる。
また、決算発表があるが、将来の成長に向かって正しい軌道を進んでいることを証明しなければならない企業がいくつかある。
1. メイシーズ
米国の小売業大手のメイシーズ(NYSE: M)は2月26日(火)の市場開始前に第4四半期の決算を発表予定だ。アナリストらは、EPSが1年前の2.82ドルから2.52ドルへと低下すると予想している。売上高も2.5%減の84億5000万ドルとの予想だ。
第4四半期決算報告書は、この米国を代表する百貨店チェーンが長年の期待外れの業績の後に持続可能な成長へと方向転換をし、順調に進んでいるかどうかを判断したい投資家にとって重要なものになるだろう。特に、昨年の米国の消費者心理が引き続き好調であったことから、既存店売上が改善を示さなければならない。私たちの見解では、ガイダンス(業績予想)が、今後の株価のパフォーマンスの鍵となると考えている。
金曜日に24.06ドルで取引を終えた株価は、8月上旬に年初来最高値の41.99ドルに達して以来、42%以上の下落している。これは投資家が会社の将来に悲観的ということだ。より多くの顧客を店舗に引き付け、アマゾン(NASDAQ: AMZN)のようなイーコマースの巨大企業と戦うために、メイシーズは値下げ品を多く扱う「バックステージ」を実店舗として増やし、化粧品の「Bluemercury」を拡大した。
決算発表はメイシーズの方向転換が正しいということを示すよい機会にしなければならないだろう。
2. ホーム・デポ
建設資材の小売りやリフォームのチェーンであるホーム・デポ(NYSE: HD)もまた、火曜日の市場開始前に第4四半期の決算を発表予定だ。アナリストの予想平均は、売上が265.7億ドル、EPSが28%増の2.16ドルとなっている。
世界最大のリフォームチェーンはここ数年の間、強い消費者の個人支出に乗って成長と利益を得るために様々な成功戦略を追求してきた。 第3四半期まで、2014年から18四半期連続で事前予想を上回るという快進撃を演じてきている。
米国の多くの地域でコスト圧力が高まり、住宅市場が弱くなってきているため、今後の成長は、それほど簡単ではないかもしれない。
金曜日を192.39で終えたホーム・デポの株価は、過去5年間で162%以上上昇した後、9月から下落している。過去6ヶ月間で株価は3%下落したが、2014年からはまだ134%上昇している。我々の見解では、四半期決算結果と2019年の業績予想が強いものになれば現在の弱気相場を打破できるかもしれないと考えている。
3. バークシャー・ハザウェイ
世界で最も成功している投資家であるウォーレン・バフェット氏は、週末に投資家への年次書簡を発表した。それはまた彼が率いる多様な保険・投資会社であるバークシャー・ハザウェイ(NYSE: BRKa)(NYSE: BRKb)の四半期決算発表にもなっていた。
投資部門は、保有する株式の評価損などで276億ドルの赤字となり、前四半期の最終損益は約250億ドルの赤字となった。
オマハの賢人(バフェット氏)は、会計基準で株式の含み損益を組み入れることになったことで赤字となったが、投資家に基礎となる営業利益により注目すべきと語った。
だが、赤字は無視するには大きすぎる。それはバフェット氏が次の大きな買収先を見つける問題に直面しており、会社の成長が上昇を続けることに苦労しているということなので、株価に影響するかもしれない。金曜日の終値の時点で株価は201.91ドルであり、過去1年間でかろうじて上昇を保ったという形になっている。
バフェット氏は、投資家向けの年次書簡で「きちんとした長期的見通しのある企業は株価が高騰しています」と述べている。それでも彼は「それでも、超大型の買収を希望しています」と2019年に彼の会社が上場株をより多く購入する可能性があると語っている。
バフェット氏の投資家を落ち着かせる言葉にもかかわらず、第4四半期の評価損が154億ドルに達したクラフト・ハインツ(NASDAQ: KHC)のような問題のある保有資産の存在を無視することは難しい。その最大の株主として、27億ドルもの減損損失をせざるえなかったのだから。(提供:Investing.comより)
著者:ハリス アンワル