ついに「インパクトカンパニー」の時代がやってきた
私は、この輝かしい未来の実現に向けて、「自分に何ができるか?」と考えた。その結果、2012年から始めたのが、毎年年初に全国20都市をめぐる、全国縦断講演プロジェクトである。
目的は、シンプル─―圧倒的多数を占める中小企業が、社会的インパクトを与える、稼げる会社になるよう後押しすること、つまりインパクトカンパニーが活躍する時代の礎を築くことだ。
2012年のスタート以来、7年間にわたって、毎年3500人を超える、北海道から沖縄まで全国のビジネスリーダーたちと出会ってきた。
時代のトレンド予想、最新ビジネスモデル、成功事例、効果的集客手法を共有することにより、インパクトカンパニーへの進化を後押ししていたのだが……正直なところ、始めた当初は景気が最悪で、多くの会社は、目先の収益を上げるので精一杯。「どこから変えればいいのか?」と戸惑う会社が多かった。
しかし、ここ数年で、インパクトカンパニーへと大きく進化した成功事例が数多く出始めた。そうした新しい事業に取り組む会社は、行政から請われ、大企業から請われ、また海外からも請われ、未来から突き動かされるように忙しく動き回り始めたのである。
・世界的プラットフォームを築き上げた地方のリサイクル企業
・「国内外800社」を指導する美容室
・日本の漁業を変えつつある飲食企業
・突然、海外から顧客が来るようになったペンション
そんな「インパクトカンパニー」の事例は、枚挙にいとまがない。
では、ふたたび本格的な成長を始める「インパクトカンパニー」になるためには、どうしたらいいのか?
それは、成熟企業を再成長させる「ビジネスモデル」を構築し、そして「勝ちパターン」を実行するためのスキルを学ぶことだ。詳しくは本書で紹介していくが、それさえできれば、どんな企業でも「インパクトカンパニー」として、世の中に衝撃を与えることが可能になるのである。(神田昌典著『インパクトカンパニー』(PHP研究所)より)
神田昌典(かんだ・まさのり)経営・マーケティングコンサルタント、作家
上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士(MA)、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済局に勤務。その後、米国家電メーカー日本代表を経て経営コンサルタントとして独立。多数の成功企業やベストセラー作家を育成し、総合ビジネス誌では「日本のトップマーケター」に選出。2012年、大手ネット書店の年間ビジネス書売上ランキング第1位。ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。主な著書に『2022――これから10年、活躍できる人の条件』(PHPビジネス新書)、『ストーリー思考』(ダイヤモンド社)、『成功者の告白』(講談社)、『非常識な成功法則』(フォレスト出版)など多数。アルマ・クリエイション株式会社代表取締役。一般社団法人Read For Action代表理事。《写真撮影:永井浩》(『THE21オンライン』2019年1月号より)
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