- 2018年第4四半期決算: 2月26日(取引開始前)
- コンセンサスEPS: 2.53ドル
- 予想売上高: 84億4000万ドル
メーシーズ(Macy’s Inc) (NYSE:M)は先月、女性向けスポーツウェア製品やジュエリー、化粧品の売上の鈍化から通期の収益見通しを引き下げたため、投資家は2019年の同社に対して弱気になっている。同社の修正後の予想によると、既存店売上高の伸びは前回予想の2.3%から2%に減少し、一株当たり利益(EPS)は前回予想の4.1~4.3ドルから3.95~4ドルへと減少した。
予想外の下方修正によって投資家は同社株を手放したため、株価は既に安値圏へと入り、2018年の上昇幅を打ち消す形となった。2月25日時点の終値は24.36ドルと、1年間で10%以上の下落幅を見せている。
店舗型ビジネスを行う同社は、今後の業績予想の発表やいかに早く投資家心理を回復できるかに左右される。我々は同社の状況の不透明感は増していくとみている。
我々は同社の改善策の持続可能性や小売業界全体の状況を悲観的に捉えている。昨年度の小売業界への数多くの追い風は、今年度弱まっており、下方リスクが強まるとみている。例としては、2018年の減税措置によって消費者の支出が増え、小売業の売上を下支えしていた。我々はそういった好況が今年度も継続するとは考えていない。
マクロ的な側面では、賃金上昇や世界的な貿易リスク、政治的不確実性が同時に起こることで、消費者心理が悪化するという未知の領域に突入している。
メーシーズ株に投資する価値はあるのか?
メーシーズ株は長期的に株価が低迷していたが、短期で復活した。しかし、上記のマクロ的なリスクを考慮すると、同社株の変動幅が大きい中で投資を行うのはリスキーである。そうは言っても、売上の回復やEコマースとの競争に向けた同社の堅実な企業努力は失敗してほしくない。
同社はローカル製品の拡充や店舗内装の一新のほか、デジタル面での投資を強化している。そういった事業戦略によって、オンライン売上高の増加や店舗集客に効果が見られている。
同社は今年度のオンラインでの売上高が10億ドルを超えると予想している。同社の利用客はアプリを使って、商品価格をチェックしたり、過去の注文履歴の確認、商品イメージを閲覧したり、チャットを通じてカスタマーサービスへ問い合わせを行うことができる。
直近では同社株は大きく売られたが、長期目線で投資を行う投資家にとっては、同社の改善策は功を奏すと我々は考えている。
同社は店舗の改装や保有不動産の削減、そして「バックステージ」での低価格商品拡充や化粧品チェーン「Bluemercury」の拡大など数多くの決断を行ってきており、それらは正しい選択であった。
要点
メーシーズ株は52週間高値から43%近く下落しているが、これ以上の下落にはならないとみている。しかし投資家は、同社が2019年の見通しをどのように見ているのか発表するまでは、投資を控えるべきだろう。現在の下落局面において、同社株が底打ちとなるかどうかは、同社の将来の見通しにかかっている。(提供:Investing.comより)
著者:ハリス アンワル