「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」
投資には様々な格言がある。市場参加者の心の機微と相場の動きをアイロニカルに表した上記の言葉も、そんな格言の一つだ。実際、市場全体が悲観ムードに包まれた「そのとき」が意外と大底だったというケースは珍しくない。最近では1月の米アップル、安川電機 <6506> 、日本電産 <6594> が業績を下方修正したにもかかわらず、その後はむしろ底堅く、水準を切り上げるケースも観測されている。もちろん、底入れを断定するのは時期尚早かもしれないが、冒頭の格言を示したとされるジョン・テンプルトン氏はフォーブス誌で「歴史上、最も成功したマネーマネージャーの1人」として紹介されたほか、一部メディアではバリュー投資のカリスマとして取り上げられた人物でもある。
相場のターンアラウンド(方向転換)を見極めるのは簡単なことではないが、今回は「相場は悲観の中で生まれる?」をテーマにお届けしよう。