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(画像=『吉祥寺SUN Tama Bar』の店長、長谷川さとるさん)

近年、フェイスブックやインスタグラム等のSNSを使った集客方法が広まっているが、最近、特に注目を集めているのが「動画」を使った集客方法だ。そこで今回は、イルミネーションが輝く店内やSNS映えするメニューの動画配信で注目を集めている『吉祥寺SUN Tama Bar』を取材。店長の長谷川さとるさんに話を伺い、動画配信に至ったきっかけや動画の集客効果、自身で行っているという動画制作の実情を聞いた。

中目黒『青の洞窟』のイルミネーションがアイデアのきっかけに

2014年7月にオープンした同店。当初は店内のイルミネーションなどは行っておらず、30〜40代の客をターゲットに国産ウイスキーの豊富さで勝負をしていたという。しかし同年12月に中目黒で開催されたイルミネーションが目に留まったことで、転機を迎えた。

「中目黒で『青の洞窟』をイメージしたイルミネーションイベントをやっていたのをニュースで見て、うちも店内装飾で青の洞窟をやってみたいなとふと思ったんです。そしたら、翌年からこのイベントが終了してしまって……。じゃあウチがやるか、ということで店内装飾を始めたんです」

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(画像=店内の『青の洞窟』イルミネーション。幻想的な空間が広がっている)

店内装飾が完成した後、長谷川さんはそれらを撮影。PR会社から各情報メディアへ、ニュースリリースとして写真を配信してもらったそうだ。

「どこかのメディアが取り上げてくれればいいやぐらいに思っていたところ、マイナビニュースに『青の洞窟』のイルミネーションが見られる店として掲載してもらうことに。しばらくしてニュースを見た若い女性たちが来てくれるようになり、目に見える反響がありました。Webメディアに掲載されるとこんなに効果があるんだと感じましたね」

このことをきっかけに店内装飾にこだわるようになり、春は桜、夏は天の川、秋は紅葉など、装飾を変えるたびにニュースリリースを情報メディアに配信。すると毎回どこかのWebメディアが必ず取り上げてくれるようになり、そのたびに20代くらいの若い女性客が集まるようになった。こうしてメディアを使った集客パターンの一つが出来上がったが、その際に気づいたのが、当初に考えていたターゲットとのズレだったという。

「集客できた客層を見て、自分のやりたいことと、ターゲットのマッチングが図れていなかったことに気づきました。Webメディアなどでスポット情報として掲載されたときに、『来店してみよう』と実際に考えてくれるのは、20代の女子などフットワークの軽い若い子だよなと。今までの常連客なんて、店内の装飾を変えても全く気付かないですよ(笑)」

2018年に入ってからは、20代前半の女性にターゲットを絞って営業。今までで一番集客効果があったWebメディア「RETRIP」に先行リリースを配信し取り上げてもらうなど、より効果的な集客方法を探っていった。今ではメディアに掲載されていなかった数年前に比べ、客数は1.5倍に増加。店内はほとんどが新規客で埋まるようになったそうだ。

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(画像=紅葉の赤色と青いライトのコントラストが美しい、秋の装飾)

SNS映えするフォトジェニックなメニューも展開

店内装飾だけでなく、20代前半の女性に親しまれるような「SNS映えメニュー」にも力を入れるようになった。なかでも人気なのが、マンゴー、ストロベリー、キウイ、ミックスべリーの4種の業務用冷凍フルーツを使い、30種程のバリエーションを展開している「凍らせフルーツのオリジナルカクテル」シリーズだ。

「フルーツがたっぷり入っているので、カラフルで見た目が可愛いと人気です。一番よく注文されるメニューですね。皆さん注文しては、撮影してインスタグラムなどにアップしています」

さらに、若い女性がよくカフェ巡りをしているという情報から、カフェスタイルのカクテルメニューも開発。コーヒーや生クリームを使ってスイーツのように仕上げている。「作った当初はデザートに飲んでくれるかなと思っていたんですが、最初に注文している人も多いですね」と長谷川さん。意外な需要もあり、こちらも好調のようだ。