改元に伴う長期休暇、意外な分野に特需発生

株式新聞,ゴールデンウイーク関連銘柄
(画像=PIXTA)

今年のゴールデンウイーク(GW)は新天皇の即位に伴う祝日も合わせて、10連休が実現する。レジャー・旅行産業への強い追い風となる一方、過去に例のない長期休暇は意外な場所でも特需を生む可能性がある。GW関連の有力3銘柄として、寿スピリッツ(2222)、夢の街創造委員会(2484・JQ)、テクノプロ・ホールディングス(6028)を特選した。

●寿スピリッツ――ご当地土産に商機、株価は下落基調脱す

10連休中の5月1日には改元が控え、天皇とゆかりの深い伊勢神宮や出雲大社を巡るツアーも人気を集めている。近鉄グループホールディングス(9041)や三重交通グループホールディングス(3232)が注目される一方、ここではお土産需要を取り込む寿スピリッツを狙いたい。

寿スピリッツは都心部や空港への積極出店でインバウンド(訪日外国人観光客)への訴求を強化する半面、日本各地の代表的な菓子の製造にも取り組んでいる。特に島根県は創業の地であり、昨年9月には出雲大社の表参道に店舗をオープンした。今年のGWで地方への国内旅行も増えるとみられ、同社の商機は広がる。

今3月期の連結営業利益は58億円(前期比16%増)を計画する。株価は昨年2月の高値6900円が起点の下落トレンドを脱し、26週移動平均線を回復した。上昇基調への転換が徐々に鮮明化しそうだ。

●夢の街創造――デリバリーに出番、半値戻し迫る

GWのうち新天皇即位の前後3日の休日(4月30日~5月2日)については、休業する商業施設や外食店舗も出てくるだろう。ピザやすし、中華料理などのデリバリーに特需が発生する可能性がある。

そこで浮上する銘柄が、夢の街創造委員会だ。同社は宅配・出前のポータルサイト「出前館」を運営する。配達代行のシェアリングデリバリーにも乗り出し、受け皿としては申し分ない。

今8月期はシェアリングビジネスへの投資負担が先行して減益を見込むものの、株価は既にそれを織り込み来期の増益転換を見据えつつある。昨年10月高値までの半値戻し(2467円)が迫り、上値指向は今後一段と強まる方向だ。

●テクノプロH――システム対応で浮上、もちあいから一段高へ

改元・10連休を複雑な気持ちで迎えるのがIT業務に従事する人々。心配の種は、平成が新たな元号に変わるタイミングでのシステムトラブルだ。

古いシステムでなければ基本的に改元を考慮した設計となっているはずだが、細かな仕様変更なども多く、ふたを開けてみないと何が起こるか分からない。改修や、もしもの場合の備えに、今後多くの人的リソースが割かれる公算が大きい。

狙い目は国内最大級の技術系人材サービスのテクノプロ・ホールディングス。10連休中も顧客のシステムは稼働するため、「それ(改元)に備えた需要も見込まれる」(テクノプロHの広報・IR)。M&A(企業の合併・買収)戦略で高成長が続く業績とともに注目される。25日移動平均線を足場に、中段もちあいからの一段高が期待される。(3月7日株式新聞掲載記事)

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