貯めたポイントを資産形成に活用する「ポイント投資」が注目されていますが、SBI証券とTポイントのCCCマーケティングが資本連携し、SBIネオモバイル証券を設立。2019年春よりポイント投資サービスを開始すると発表しました。

若年層や初心者でも手軽に投資ができるようにスマートフォンで完結し、株式をはじめ、ロボットが運用するポートフォリオにも投資が可能。そのサービス内容や利用方法などについて具体的にご紹介します。

ポイント投資の「資産運用」サービスは楽天証券などがすでに実施

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(画像=PIXTA)

「ポイント投資」には、貯めたポイントを使って株や投資信託の運用を「疑似体験」できるサービスと、実際に「資産運用」できるサービスがあります。ここでは資産形成を目的とする資産運用のためのポイント投資サービスについてご説明します。

実際に資産を運用するポイント投資サービスは、運営会社が会員のポイントを買い取り投資信託などを購入し、その後は通常の投資と同じように口座保有者が運用します。

実際に投資を行なうための口座開設にはいくつかの手続きが必要です。まずは運営会社に投資口座を開設し、クレジットカード番号や本人確認書類、取引先金融機関などの情報を入力します。通常ポイント原資だけあればすぐに始められますが、投資する商品によっては手数料が発生する場合がありますので注意が必要です。

「ポイント投資」の先行事例としては、楽天証券が手がける楽天スーパーポイントを活用した「投資信託ポイント投資サービス」があります。投資信託の通常注文だけではなく投信積立にもポイントが使え、基本的には楽天証券が扱うすべての銘柄において100円から買い付け可能です。また一般口座だけはなく運用益が非課税になるNISA口座でも利用することができます。

NTTドコモもdポイントを使ったポイント投資を行っていますが、こちらはあくまで「疑似体験」であり、投資を行った運用益はポイントとして反映されるのみです。

またNTTドコモでは、ロボットアドバイザーを通じて「THEO+ docomo」という投資信託の運用サービスを実施しているものの、こちらは口座の現金でしか取り引きできずポイント投資には使えません。「THEO+ docomo」を利用すると毎月の口座残高に応じてdポイントが付与されるので、ここで貯めたポイントを「疑似体験」で運用することも可能です。

スマホで完結できるシンプルさと低価格な手数料がTポイント投資の特徴

今春にも開始が予定されているTポイント投資は、SBI証券とCCCグループが連携して設立したSBIネオモバイル証券によるサービスです。若年層や未経験者でも資産形成に着手しやすいように、スマートフォンだけで完結できるシンプルさと低価格な手数料が特徴です。

このサービスでは、保有するTポイントを使い、国内株式などの金融商品を購入することができます。さらにTカードの購買データを通じて蓄積したビッグデータを分析することで、投資に役立つような情報サービスの提供も行う予定としています。

ロボットアドバイザーが投資信託を長期運用する手堅い仕組み

SBIネオモバイル証券の「ポイント投資」で投資できる金融商品は国内株と「WealthNavi(ウェルスナビ」という主にETFに投資を行っているロボットアドバイザーです。WealthNaviは、会員に代わり金融アルゴリズムに基づいた資産運用を自動的に行います。

このアルゴリズムはノーベル賞受賞者が提唱する理論を実践しており、会員ごとのポートフォリオ(資産の組み合わせ)を自動で運用し、リスクを抑えながらリターンの最大化を目指します。年収や金融資産、毎月の積立額など投資に関するいくつかの質問に答える無料診断を行なうことで、ロボットアドバイザーがその人に合った運用プランを提案してくれます。

ロボットアドバイザーに完全お任せする投資なので不安に思う人もいるかもしれませんが、「THEO+ docomo」や楽天証券の「楽ラップ」などもロボットアドバイザーを活用したものです。このようなテクノロジー経由で投資できる金融サービスにより、高度な知識や手間なしで「長期・積立・分散」の資産運用を自動的に行ってもらえるようになりました。

積立投資は、月に一回というような決まった間隔で同じ金額を投資に充てていく方法です。株価や為替相場などの一時的な動きに左右されず、冷静に自動的に資産形成できることが大きなメリットといえるでしょう。

ロボットアドバイザーによる運用は短期での大きな儲けを狙うのではなく、20年、30年といった長期でコツコツとリスクを抑えながら資産形成できる手堅い方法です。むしろロボットアドバイザーに任せる方が心理的な罠にはまることもなく安心かもしれません。

“貯蓄から投資へ“とお金の増やし方の選択肢を見直す機会に

Tポイント投資の詳細はまだ発表されていないため、最低運用金額や1ヵ月当たりの最低積み立て金額、手数料、NISAも含め扱う金融商品の内容などについては現時点でわかりません。ただTポイントは国内の20代の8割が保有しているため、サービスが始まれば多くの若年層が投資の機会を得られるようになります。

投資に興味はあるけれど「自分でやるのは不安」「金融商品知識がない」「資産運用にかかる時間・手間を軽くしたい」と思っている人にとって、ポイント投資は資産形成のきっかけになるかもしれません。若ければ若いほど長期のリターンが増える可能性もあるので、貯蓄だけではなく投資で資産を増やすということについても考えてみてはいかがでしょうか。

文・渡辺友絵(ライター・編集者)/fuelle

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