世界経済に広がる「不透明感」 それでもウォール街で「強気予想」が消えない理由
(画像=ZUU online)

「悪いニュースは良いニュースということだ」電話口でトレーダーがそう言った。ウォール街で長年取材をしていると時々意味不明の言葉を耳にすることがある。マーケットの裏側を知る彼らは、そのさらに裏の裏を深読みする。筆者が知る限りでは経験豊富で優秀な人ほどその傾向が強く、結果として「悪いニュースは良いニュース」など首をかしげたくなるような言葉を耳にすることになる。

3月上旬に市場関係者の注目を集めた経済ニュースは軒並みネガティブ・サプライズとなり、ダウ工業株30種平均は5営業日連続安となる場面も見られた。しかし、それでもウォール街では強気意見は消えていない。ネガティブ・サプライズとなった経済ニュースも、結果的にはFRB(米連邦準備制度理事会)とECB(欧州中央銀行)がハト派に転じたことで「悪いニュースは良いニュース」と受け止められているからだ。

今回は市場にネガティブ・サプライズをもたらした経済ニュースと、ウォール街の反応についてリポートしたい。