2019年3月19日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
現在の米ドル/円は、動きがない中で112円台付近で上値が重くなってきた。注目のブレグジットに関しては、期限の延長が受け入れられるとマーケットが安易に考えているように感じる。メイ英首相の3度目の採決をバーコウ英下院議長が同じ内容ならしないといった趣旨の発言をしたことで、現在3度目の採決が難しい状況となっている。内容を変えればいいとのことだが、それほどの時間もないため、明日20日(水)から始まるEU首脳会合でイギリスとしては何もできない。本来なら期限の延期を決める状況だが、ここ2年、離脱に関して結局何も進んでおらず、EUが用意した離脱の合意案をメイ英首相は2度も蹴り、しかし合意なき離脱はイヤだと駄々をこね、かと思えば何をしたいかの具体的な主張もなく、EUからみたらふざけるなといった状況だ。よって、27カ国のうち1カ国でもイギリスの期限延長に反対したら3月29日に合意なき離脱になってしまう。そのリスクが個人的にはあるとみているが、どうもマーケットではそれはないとみなされているようだ。よって個人的にはポンドは下落方向を予想している。なので米ドル/円やクロス円も全体的に調整に入りそうな気がしている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今週の米ドル/円の予想レンジは110.50~112.25円。112円台は上値が重くなってきているので本日19日(火)に関しては売り回転が望ましい。ただ、110.50円が今週であれば堅いかもしれないが、22日(金)に万が一EU首脳会合で期限の延期に1カ国でも反対すればポンドが大暴落し英ポンド/円で130円台まで行くと考えている。そうすると米ドル/円も108円台、109円台まで下落する可能性もある。ブレグジットに関しては合意なき離脱の可能性はまだあるし、これからの要人発言等で上下に振れそうだ。22日(金)の結果次第では週明けのプライスがたたない可能性もある。よって今週末は軽くしておいたほうが賢明だろう。
小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。