2019年3月26日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

今週のリスクとしては、なんといってもブレグジットだろう。現在、メイ英首相を引きずりおろす動きがあるようで、与党から足を引っ張られている。昨日25日(月)、メイ英首相は、「2度目に否決された離脱案が支持されないようであれば、3度目の採決をしない可能性もある」という発言をした。しかし、バーコウ英下院議長は2回目に否決した案に変更点がない限り3度目の採決は不可という姿勢を示したため、メイ英首相は何かしら内容を変更しなければならない。ところが変えようにも変更内容をEUが認めて初めて英国での採決にかけられる。そしてさらにそれが通るのか通らないのかという話だがそれを4月12日までにできるのか疑問だ。もしそれまでに採決にかけられないようであれば4月12日に時間切れで合意なき離脱が決定してしまう。しかし、そういった状況にも関わらず、現状のポンドレベルがあまり落ちていないということは合意なき離脱にならないと思っている人が多いのかもしれない。もしくは、期限である4月12日にもう少し近づいてくると動きが出るのかもしれないが...。ただ、英国人の性格を考えると、頑固で人に指図されることを好まないところがあるため、英国からすれば、EUごときに自分の国のことを決められてしまうことは言語道断。であれば、期限が来て不可抗力の決定となってしまうほうがまだましだと考えるのではないかと思っている。ブレグジット関連には引き続き注目していきたい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円に関しては上値が重たくなってきている。昨日25日(月)のレベルだが、日足の一目均衡表の雲が109.00円付近、200日移動平均線が111.45円付近にあった。109.70円付近で下落が止まったが、これは114.55円から104.87円(実際の出会いの値)まで9円68銭下落分の半値戻しがこのレベルだ。先週22日(金)の109.75円も昨日25日(月)の109.70円も止められた形となった。109円台は久々のレベルなので、本邦輸入企業としては買いたいレベルだろう。よって実需の買いを入れてくると思われる。112円台は上値がかなり重たかったので111円台にかけて、110円後半から111円台前半は売ってみたいという気がする。本日26日(火)に限っていえば110円台前半などで売りから入って109円台を買い戻す戦略は有効そうだ。109円台ミドルが割れてくると投げが出そうだが雲の下限にかけて109円台前半は押し目買いをしてみたい。今週の米ドル/円予想レンジとしては109.00~111.45円。とりあえず方向性としては売り回転で回しつつ、109円台前半で買い場探しをしたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。