遊休地の活用方法として知られているのが、駐車場の経営です。しかし、個人で運営するには集金やトラブルの対応など手間が掛かり、空車リスクもあります。そこで、専門業者に任せる「駐車場一括借り上げ方式」について考えてみましょう。
土地は何もしなければ赤字になる
土地はただ所有しているだけでは生産性がありません。住宅であれば人に貸さなくても自身が住むことにより、家賃相当分をペイできますが、土地は遊休地のままでは固定資産税分が赤字になります。そこで、多くの人が考えるのが駐車場の経営です。駐車場は、アパートやマンションの建設に比べると初期投資が極めて少なくて済みます。
ラインを引いて区切るだけの簡素な駐車場があるくらいです。青空駐車場であれば、ほとんどコストが掛からないうえ、周りにアパートやマンションなどがあれば一定の需要が見込めます。土地を所有しているのであれば、駐車場経営は安全性の高い運用方法といっても過言ではないでしょう。
駐車場経営の2つの方式
駐車場経営には大きく分けて「月極め」と「時間貸し」の2つの方式があります。「月極め」は毎月一定の駐車料金を徴収して駐車させる方式です。住宅における家賃と同じなので収入は安定しますが、空車リスクがあります。一方の「時間貸し」は、限られた時間のみ駐車させ、利用時間によって料金を徴収する方式です。街中で見かけるコインパーキングが代表的な例です。実際に駐車していた稼働時間で料金が異なるため、「月極め」のような一定の収益にはなりません。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、標題の「駐車場一括借り上げ方式」は専門業者(タイムズ24の例)がオーナーから一括借り上げして運営するため、募集・契約・集金・督促・解約などのオーナー業務負担がなくなります。
開設費用も専門業者が負担するので初期投資はほぼゼロと考えてよいでしょう。賃料は、業者が毎月一定の金額を支払いますので、稼働時間によって収入が左右されることはありません。しかし半面、稼働率が高い月でも契約賃料以上のものが入ることはありません。
「駐車場一括借り上げ方式」が副業に適している理由
駐車場経営は広い敷地ならともかく数十平米程度の面積の場合、単独の事業として生活するのは困難でしょう。あくまでも本業ではなく、資産の有効活用で行うことになります。しかし、一見簡単そうに見える駐車場の経営ですが、駐車場内におけるトラブルは決して少なくありません。中でも多いのが無断駐車です。契約車両以外が駐車していれば、当然本来駐車するはずの契約者が困ることになります。
連絡を受ければ違法車両を移動させなければなりません。そのようなトラブルがあるたびに呼び出されていたら本業にも影響しかねません。「駐車場一括借り上げ方式」はそのようなトラブルも専門業者が対応してくれる点で副業に適している経営方式といえます。
法人にまとめて貸していると割り切って安定運用を
便利な「駐車場一括借り上げ方式」ですが、当然のことながら自分で運営して満車だった場合と比べると収益は少なくなります。ただ、自身で運営したとしても、法人に全区画をまとめて貸し出すのであれば、多少の値引き交渉には応じなければいけないかもしれません。そう考えれば、賃料は多少下がるとしても法人にまとめて貸した場合の値引きと割り切って、「駐車場一括借り上げ方式」で安定運用を目指す方が得策ともいえます。
土地を相続した場合、処分しようと思っても、すべての土地に買い手が付くわけではありません。そんなときは有効活用の方法として「駐車場一括借り上げ方式」を選択肢のひとつに加えてみるのもよいのではないでしょうか。(提供:相続MEMO)
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