世界の経済低迷や、米国債利回りの逆イールド発生が景気後退の指し示す中で、S&P 500では2009年以来最も良い四半期となった。年初来の上昇を止めるものは何もないとさえも思える。

投資家は、ただ単純に警戒を怠っているわけではなく、米中貿易協議の良い進展や利下げの可能性を考慮しているのだろう。

このようなポジティブなマクロ環境の中で、今週に各自の動向によって大きく値動きをみせそうな3銘柄である。

1. リフト(Lyft)

金曜日に新規公開株(IPO)されたばかりのライドシェア企業のリフト(NASDAQ:LYFT)の今週の値動きに注目だ。

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(画像=Investing.com)

TradingView: Lyft

リフト株はIPO価格の72ドルから、一時23%上昇し88.60ドルをつけた。初日の終値は78.29ドルとなり、8%の上昇となった。

リフトのIPO規模は約23億4000万ドルとなり、今年IPOを予定しているウーバー(Uver)、ピンタレスト(pinterest)、スラック(Slack)などのシリコンバレー企業にとってよい兆候になったに違いない。

IPO後、リフト株のボラティリティーは高くなると考えられる。次第に投資家の焦点は、2018年は22億ドルの売上で増加しているものの、9億1100万ドルの赤字であるという点にシフトするだろう。2017年では11億の売上の一方、6億8800万ドルの赤字であった。

リフトの共同創業者のジョン・ジマー氏はブルームバーグのインタビューで、車の所有権の認識が大きく変わる時代が来るという概念を述べている。そして、同氏はこの構造変化に伴い「1兆ドルの市場機会を取りに行っている」という。

2. ウォルグリーン(Walgreens)

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス (NASDAQ:WBA)は、米国で2番目に規模が大きい薬局チェーンである。同社の第2四半期決算は、2日の市場開始前に控えている。市場予想では、EPS1.74ドル、346億2000万ドルの売上である。

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(画像=Investing.com)

TradingView: WALGREENS BOOTS ALLIANCE INC

ウォルグリーン株は、12月に記録した52週の高値である85.83を打ってから約4分の1の時価総額を失っている。同社は、投資家から長期的かつ大胆なコスト削減計画に対する懸念を抱かれている。

eコマースとしてライバルであるアマゾン(NASDAQ:AMZN)や、同業のCVS Health (NYSE:CVS)がAetna (NYSE:AET)を買収して事業拡大する中で、ウォルグリーンは、大幅な構造改革や、コスト削減をする計画を発表している。

ウォルグリーンは、3年以内に年10億ドルのコスト削減を目指しているという。

3. フェイスブック(Facebook)

フェイスブック株(NASDAQ:FB) は、オーストラリア政府が30日にソーシャルメディア企業に対してテロ関連の映像をすぐに削除しなかった場合、刑事罰に課す法案を議会に提案すると発表し、再び売り圧力がかかっている。これは、ニュージーランドの銃乱射事件がフェイスブックでライブストリーミング放送されたことを重く受けたもの。

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(画像=Investing.com)

オーストラリアでのソーシャルメディア企業に対する罰金は、最高で年間世界売上高の10%相当にもなるという。

2018年ではフェイクニュースやヘイトスピーチに関する規制が各国で行われることによりソーシャルメディア企業は売り圧力をうけていたが、3月13日までフェイスブック株は今年30%回復していた。しかし、NZの銃乱射事件を受けて、再び新たな各国の規制の動きが再浮上している。先週金曜日の終値は166.69ドルであった。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル