世界最大のeコマース企業のアマゾン (NASDAQ:AMZN)の株価は、今年も好調な上昇を続けている。アマゾンの優位性は高く、収益の多角化はさらなる安定した成長の原動力となっている。
4月1日の終値は1814.19ドルであり、年初来でアマゾン株は23%回復している。短期的には、アマゾンの上昇を止めるものは何もないと考えられる。
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しかし、過去5年間ではアマゾン株は430%の上昇であり、PERは90を超えている。アマゾン株は安いとは言えず、調整売りの可能性はある。
調整売りの可能性を助長するものとして、アマゾンは今年売上高成長が鈍化しており、コストの増加も見られる。また、海外展開も難航している。
アマゾンの売上高は3期連続で鈍化しており、 2018年第4四半期では19.8%増であり、2015年以来最小の成長率であった。
アマゾンは、今四半期では560-600億ドルの売上高を予想している。売上高が560億ドルとなれば、これは前年比でたった10%の増加である。これは2001年以来最も低い増加率だ。
この3期連続の低迷にもかかわらず、我々は引き続きアマゾン株は長期投資に最適だと考えている。テクノロジー株に投資することにリスクはつきものであり、特に米国の史上最大の景気拡大局面に陰りを見せている現在ではなおさらである。しかし、長期投資としてはアマゾンは他の成長株の中で最も良い投資であるといえよう。以下でアマゾン株が、長期投資に向く主な2つの理由を挙げる。
1. eコマース市場の拡大は続く
アマゾン株を推薦できる理由として、同社のeコマース市場で他社に追随をゆるさないほど強みを持ち合わせていることだ。
過去数十年で、アマゾンはeコマース市場を独占している。2019年では、世界の消費者はアマゾンを通して約4840億ドルの買い物がされると予想されている。 EMarketer Inc.によると、これは2018年の水準より26%多く、米国のオンライン支出の半分以上を占めるという。
2. 新しい成長分野
アマゾンのeコマースでの優位性の他に、ジェフ・ベゾスCEOは新しい分野に手を広げていることに注目するべきだろう。これらは利益率の低いeコマースとは違い、高い利益率を生み出している。
アマゾンは世界最大級のクラウド・プラットフォームを展開している。「AWS」で知られているアマゾンウェブサービスの成長率は年率約40%である。
アマゾンのデジタル広告事業も、高い利益率を生み出しており3桁成長である。これらの利益率の高い事業は、いままでの産業構造を再編しようとしている。
また、アマゾンはスマートスピーカーやビデオストリーミングデバイスなどのハード製品にも取り組んでいる。アマゾン・スタジオでは、オリジナルのTV番組や映画を配信しており、 ネットフリックス (NASDAQ:NFLX)や HBO (NYSE:T)に迫る勢いである。
また、Whole Foods Marketを買収したことを発端に、実店舗での戦略も視野に入れている。無人コンビニの導入など、挑戦的な事業に取り組んでいる。
要点
アマゾンは多岐にわたる分野でイノベーションを起こしており、同社株はテクノロジー株で最も成長している株の一つである。アマゾンのeコマース事業は、引き続き成長軌道に乗っており、AWSやデジタル広告からの成長も期待できる。アナリストは、今後5年間の利益成長率は40%を超えると予想している。この予想が現実となれば、アマゾンの時価総額を正当化するのに十分であろう。(提供:Investing.comより)
著者:ハリス アンワル