3月決算企業の第3四半期決算発表も2月中旬に終了しそれから1カ月半程度が経過しました。そのため2月に入って決算を発表した銘柄でもアナリストによる業績や目標株価の見直しが随分と進んだと思われます。そこで今回は2月14日に決算を発表したTOPIX500採用の3月期決算銘柄を対象に決算後に複数の目標株価の引き上げがみられるもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。

投資のヒント
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そのなかでも目標株価の引き上げが目立ったのが日本郵政(6178)で、通期の経常利益の見通しを上方修正したこともあって決算発表後に4社が目標株価を引き上げています。また、大林組(1802)と沢井製薬(4555)も決算発表後に4社が目標株価を引き上げたほか、コスモエネルギーホールディングス(5021)とアマダホールディングス(6113)でも2社が目標株価を引き上げています。

決算発表後に2社以上が目標株価を引き上げた銘柄
(画像=マネックス証券)

決算メモ

●アダストリア(2685)‐上期に苦戦も下期に急回復‐

アダストリアが4日に発表した2019年2月期の決算は売上高が前期比0.1%減の2227億円、営業利益が同43.7%増の72億円と減収増益となりました。売上高は4月と5月の既存店売上高が前年を10%以上下回るなど上期に大きく苦戦したものの、2月の既存店売上高が15%近い伸びをみせるなど商品や価格の見直しを進めたことで下期に回復をみせ前期比ほぼ横ばいとなりました。

営業利益は減収や粗利益率低下によるマイナスはあったものの、それを販管費やのれん償却費の減少などでカバーし大幅増益となりました。特に下期の回復は目覚ましく72億円の営業利益の93%を下期に稼ぎ出しています。ただ、大幅増益となったものの上期に苦戦したことで84億円を見込んでいた会社計画は下回っています。

この2日に発表となった3月の既存店売上高も前年を8%以上上回るなど足元でも販売は好調です。こうしたなかで今期の会社計画は売上高で前期比1.0%増の2250億円、営業利益で同39.1%増の100億円となっています。前期に続いて大幅な増益を見込む計画ですが下期の力強い回復をみると十分に達成可能なようにもみえます。

しかし、2016年2月期に業績が急回復した後失速し2018年2月期には営業利益が50億円まで減少してしまった過去があるだけに、今回も回復が腰折れしないか心配されます。これに対して会社側は、前回は業績の急回復の後に拡大路線をとって失敗したが、今回は利益重視で拡大路線はとらないと説明しています。

金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

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