MMD研究所は、2018年末から2019年1月にかけて「2019年1月 消費者/個人店経営者から見るキャッシュレス意識調査」を実施しました。この調査は「加盟店編」と「消費者編」の2パートから成り立っており、導入店舗側とユーザー側の両方から日本のキャッシュレスの現状を読み解くものです。 本リリースは、非公開の販売レポートである上記レポートの結果を一部抜粋し公開しています。
【調査結果サマリー】
■ 店舗に導入しているキャッシュレス決済、「クレジットカード/デビットカード」が70.8%、「QRコード決済」が30.8%
■ 店舗へのキャッシュレス決済導入のハードルとなる理由、トップは「決済手数料が高いから」で71.6%、次いで「レジオペレーションが煩雑になるから」が31.2%、「入金サイクルが長いから」が29.6%
■ 消費者が今後利用したい決済方法、トップは「クレジットカード」で69.3%、次いで「カードタイプの電子マネー(前払い)」が42.5%、「カードタイプの電子マネー(後払い)」が24.1%
■ 消費者がスマホ決済に期待すること、スマホ決済の利用状況に関わらずトップは「ポイントが貯まること」
■ キャッシュレス化や国の施策に対する意見、「賛成」が57.7% 消費者の声さまざま
<加盟店編>
調査対象者:飲食店など店舗の決済手段に関して意思決定権を持っている人250名
(対象店舗の情報、地域などの詳細はこちら)
店舗に導入しているキャッシュレス決済、「クレジットカード/デビットカード」が70.8%、「QRコード決済」が30.8%
飲食店など店舗の決済手段に関して意思決定権を持っている人250名に対して、店舗に導入しているキャッシュレス決済の手段を聞いたところ、最も導入率が高いのは「クレジットカード/デビットカード」で70.8%、次いで「QRコード決済」が30.8%、「交通系以外の電子マネー」が19.2%となった。
店舗へのキャッシュレス決済導入のハードルとなる理由、トップは「決済手数料が高いから」で71.6%、次いで「レジオペレーションが煩雑になるから」が31.2%、「入金サイクルが長いから」が29.6%
同じく飲食店など店舗の決済手段に関して意思決定権を持っている人250名に対して、キャッシュレス決済導入のハードルとなる理由を聞いたところ(※)、トップは「決済手数料が高いから」で71.6%、次いで「レジオペレーションが煩雑になるから」が31.2%、「入金サイクルが長いから」が29.6%だった。
(※キャッシュレス決済導入店舗には、導入前にハードルとなった理由について聴取)
また、あわせて自由回答でもキャッシュレス決済導入のハードルとなる理由を聴取した。以下に一部抜粋する。
・初期費用やランニングコストが高い場合が多い。アルバイトが理解できるか不安。(店舗業態:バー、キャッシュレス決済:導入、所在地:神奈川県)
・券売機で用が済んでいるため。また、単価が低いため、手数料を負担しづらい。(店舗業態:アジア料理、キャッシュレス決済:未導入、所在地:東京都)
・手数料や自身への入金までの期間が問題だった。(店舗業態:イタリア料理、キャッシュレス決済:導入、所在地:大阪府)
・あまりに多様化するとオペレーションが煩雑化する。(店舗業態:フランス料理、キャッシュレス決済:導入、所在地:東京都)
・お客さんからの要望はあるが、小さなお店のため、手数料がかかりそうで嫌。(店舗業態:カフェ、キャッシュレス決済:未導入、所在地:北海道)
・もっとわかりにくいものだと思っていましたが使ってみると簡単でした。手数料がマイナスになるので現金が有り難いですが、クレジットカード利用のお客様も多く、導入して良かったと思います。(店舗業態:イタリア料理、キャッシュレス決済:導入、所在地:大阪府)
・導入の際の設定が難しそう。機器に故障等トラブルがあった場合どこまでフォローしてくれるか不明(何時まで対応できるのか、すぐに誰か来て修理等してくれるのか、料金がかかるのか等)(店舗業態:和食、キャッシュレス決済:導入、所在地:東京)
<消費者編>
予備調査対象者:15歳~69歳の男女10,000名
本調査対象者:スマホ決済利用者 400名、過去利用者 300名、未利用者 300名 計1,000名
(この調査では、スマホ決済を「スマートフォンで行う非接触決済やQRコード決済のこと」と定義)
消費者が今後利用したい決済方法、トップは「クレジットカード」で69.3%、次いで「カードタイプの電子マネー(前払い)」が42.5%、「カードタイプの電子マネー(後払い)」が24.1%
予備調査において、15~69歳の男女10,000人を対象にそれぞれの決済方法について今後利用したいかどうか聞いたところ、「とても利用したい」「やや利用したい」を合計した利用意向が最も高いのは「クレジットカード」で69.3%、次いで「カードタイプの電子マネー(前払い)」が42.5%、「カードタイプの電子マネー(後払い)」が24.1%だった。
また、「カードタイプの電子マネー」「非接触型のスマホ決済」「QRコード型の決済」いずれにおいても、前払いの方が利用意向が高い結果となった。
(「前払い」…銀行口座の登録や現金などを使って事前にチャージする方式、「後払い」…クレジットカードと紐づけて毎月のカード請求で支払う方式)
消費者がスマホ決済に期待すること、スマホ決済の利用状況に関わらずトップは「ポイントが貯まること」
続いて、本調査対象者1,000人(スマホ決済利用者 400人、過去利用者 300人、未利用者 300人)にスマホ決済に期待することを聞いたところ、利用者・過去利用者・未利用者いずれもトップは「ポイントが貯まること」だった。
キャッシュレス化や国の施策に対する意見、「賛成」が57.7% 消費者の声さまざま
本調査対象者1,000人に、キャッシュレス化の促進や増税に伴うポイント還元など国の施策に対する賛否を聞いたところ、「賛成」と回答したのは57.7%、「反対」と回答したのは42.3%だった。
また、「賛成」「反対」と答えた理由についても自由回答で聴取した。以下に一部抜粋する。
<賛成>
・現金が盗まれるなどの被害が減るから。決算に時間がかからないため、お店などで効率的だから。(10代女性)
・キャッシュレス化は、決済スピードが早くポイント還元があってお得だと思うため。(20代男性)
・デジタル世代にとって優位な政策で、外国人にも受け入れやすい。(40代男性)
・キャッシュレス化を促進すべきという点は賛成だが、現状いくつも規格が乱立して、結果として使える店舗が限定されることをなんとかすべき。ポイント還元のこの策はややこしくなるだけで好ましくない。(50代女性)
<反対>
・個人情報が流出しそうで怖い。(40代女性)
・もし災害などでシステム障害が発生した場合、決済ができなくなるから。普段であれば便利ではあるが、いざという時の不具合に弱いイメージがある。(20代女性)
・詐欺が横行して、色々なトラブルに発展しそうな為。(30代男性)
・キャッシュレス決済を出来ない人が多数いると思うので、難しいのでないか?これのメリットが分からない。(40代男性)
執筆者:坂本 有珠
※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。
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(提供:MMD研究所)