過去1年間においては、ホームデポ (NYSE:HD)への投資判断は難しかっただろう。軟調な住宅指標、モゲージローン金利の上昇、経済低迷への懸念がある中で、住宅用品小売りの米ホームデポ株は昨年9−12月にかけて下落したが、その後同社株は力強く反発している。

最近では9月から始まった株価の下落は短期的なものであり、下落トレンドはすでに転換したと考えられている。ホームデポ株は年初来20%の上昇であり、8日の終値は203.55ドルであった。今後の好材料としては、モゲージローン金利が下がることや、住宅指標の改善の見通しがあることである。

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(画像=Investing.com)

新築住宅販売(2月)では予想を上回り、前年の水準を超えた増加率である。一方中古住宅販売(2月) では前月比11.8%となっている。この回復の見通しが続けば、ホームデポ株が回復することも不思議ではないだろう。厳しい冬や雨の影響もあり、ホームデポの第4四半期決算は振るわない結果であった。

ホームデポの第4四半期の既存店売上高は3.2%増で、市場予想の4.5%を下回った。しかし、この四半期では既存点売上高において30四半期連続の増加となった。この期間の四半期売上高成長率はほとんどにおいて4%以上であり、ホームデポの成長戦略は成功していることが窺える。

ホームデポ成長戦略において競合はいない

ホームデポは、アマゾン(NASDAQ:AMZN)のようなeコマースの影響の中で生き残るいいポジショニングにある。ホームデポの経営陣は早くから成長戦略においてこのような市場変化の中でどのように生き残るかに対策を撮ってきた。全米において約90%の人々は約10マイル以内にホームデポがある環境がある中で、同社は実店舗ベースで最新の技術を取り入れ、eコマースのフルフィルメントを向上させてきた。

過去数十年で住宅市場が振るわなかった中でホームデポが生き残ることができたのは、住宅市場に頼らない多角化を進めてきたことがある。ウォール・ストリート・ジャーナルのアナリストによると、住宅統計ではいまだに2006年のピークと比べて半分以下であるが、ホームデポの年間売上高あ2006年入り約30%増加しているとのこと。

ホームデポの第1四半期の決算発表は5月21日に予定されており、さらなる既存店売上高の成長が期待できるだろう。

ホームデポは2019年の既存店売上高の成長を5%と見込んでいる。2018年では5.25%の成長であった。ホームデポ株は上昇の見込みや、前四半期で32%の大増配が行われ1.36ドルの四半期配当な上で、同社株に投資するだけの価値があるといえるだろう。また同社は株価を支えるために、150億ドル相当の自社株買いを計画している。

要点

住宅市場の改善とホームデポの力強い成長性は、2019年において同社株を支えるものとなるだろう。我々はホームデポ株のPERが21であることは割高だと考えていない。また、ホームデポは過去10年で380%増配しており、配当性向は42%と安全な水準である。同社はまだまだ増配の余地を残している。直近の四半期決算が振るわないことは、買い機会を伺っていた投資家にとってよい機会となるだろう。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル