飲食店の大きな課題のひとつが「集客」。なかでも新規客を獲得するための宣伝活動は、売上を伸ばすうえでとても重要になる。宣伝活動にはさまざまな方法があるが、グルメサイトやタウン誌への掲載は有料であるケースも少なくない。できるだけ広告費を抑えて集客に結びつけたいというのが、多くの飲食店のホンネだろう。そこで今回は、無料で使えて、しかも意外と効果がある「集客ツール」をいくつかご紹介したい。
店の情報をGoogle上に表示できる「Google マイビジネス」
消費者が行きたい飲食店を探す際、検索サイトで「新宿 焼き肉」というように“地名×業態”を打ち込んで検索するケースは多い。こうした消費者にアピールできるのが「Google マイビジネス」だ。
「Google マイビジネス」は無料で使えるサービスで、客が「新宿 焼き肉」などのワードでGoogle検索した際に、検索結果として店名や住所、営業時間といった情報を表示することができる。またエリアマップ上に店舗情報が表示されるので、マップ上で飲食店を探したい人に対して訴求力がある。さらに現在営業しているかどうか、混んでいる時間帯かどうかなどのリアルタイム情報も表示されるのが特徴だ。
登録方法は簡単で、グーグルアカウントを取得して必要情報を入力するだけ。ただし、店名や住所、電話番号などを正確に入力しないと、掲載許可が降りないことがあるので注意が必要だ。
英語版ホームページにも対応「favyページ」
「favyページ」は無料でホームページが作成できるサービス。専門的な知識は一切不要。スマホだけでもページを作成できるので、忙しい営業時間の合間などにも利用しやすい。
「favyページ」の最大の特徴は、飲食店のホームページ作成に特化している点。飲食店向けのデザインフォーマットがいくつか用意されており、テーマカラーと写真を選ぶだけで、本格的でスタイリッシュなサイトが完成する。ポイントとしては、高画質の写真をあらかじめたくさん用意しておくこと。大切な宣伝材料になるので、プロのカメラマンに撮影を依頼するのもいいだろう。
「favyページ」の特徴は他にもある。ネット予約のページも簡単に作成可能なのだ。日時や人数、コース選択だけでなく、大人や子供、乳児の人数などの入力欄も作成できる。また、「英語翻訳」の機能も見逃せない。閲覧画面上の言語切り替えボタンを押すだけで簡単に全ページを翻訳してくれるのだ。インバウンド対策にはもってこいの機能といえるだろう。
ちなみに、月額1万円の有料版では、グルメサイト「favy」などで紹介してもらえる集客支援が受けられる。ただ、無料版でもほとんどの機能が利用できるので、まずはホームページとネット予約ページを作成してみるのもいいだろう。
インバウンド向けに多言語サービスを展開「マイオーダー」
今やインバウンド客は飲食店にとって見逃せない存在だ。いかに外国人客に来店してもらうか苦心している店舗も多いのではないだろうか。そんなときには外国人客が利用しているグルメサイトを活用するのも一つの手だ。
外国人用のグルメサイトはさまざまとあるが、無料で使えて、しかも英語や中国語への翻訳機能までついている「マイオーダー」は、店をアピールするのにもってこいのサービスだろう。
メニューは料理名のほか、料理の簡単な説明や食べ方、調理方法なども翻訳することが可能で細かな点まで伝えることできる。また、「わくわくコンテンツ」と称して、各店舗で体験できる「わくわくすること」を掲載できるなど、日本人客向けとは違った切り口で店をアピールできる点も魅力の一つだ。
さて、今回は無料で利用できる集客ツールについてご紹介した。顧客のニーズや来店動機は多様化しており、それに合わせて店舗の集客ツールも複数活用して当然だ。「Google マイビジネス」は検索から、「favyページ」は英語翻訳や予約機能、「マイオーダー」は多言語対応で新規客を掴むチャンスを広げられる。それぞれの強みを活かして、集客に繋げてもらいたい。(提供:Foodist Media)
執筆者:大槻洋次郎