マイナンバー制度の開始で証券会社へのマイナンバー提出が義務化された。しかしまだマイナンバーを提出していない投資家も多いだろう。マイナンバーを提出しないとどうなるのだろうか。                         

マイナンバーの取得が進んでないため提出まで猶予期間がある

証券会社,マイナンバー
(画像=fizkes/Shutterstock.com)

2016年1月1日以降、新たに証券会社と取引をする顧客は、口座開設時にマイナンバー(個人番号)の提出が必要となった。これは証券会社が税務署に提出する支払調書などへのマイナンバー記載が義務付けられたことによるもの。

マイナンバーとはすべての国民に割り当てられた12桁の番号のこと。行政手続きの効率化や利便性向上、適正、公平な課税の実現などを目的として導入された制度だ。

2015年12月31日以前から証券会社との取引がある顧客のマイナンバー提出については、2021年末までの猶予期間が設けられている。2022年1月1日以降は最初に株式、投資信託などの売却代金や配当金などの支払を受ける時までに、マイナンバーを証券会社へ提出しなければならない。

当初は2018年末までとされていた猶予期間だが、証券会社のマイナンバー取得が進んでいない状況を受け、さらに3年間延長すると発表された。猶予期間経過後もマイナンバーを提出しないと違法となるが、それに対する罰則は未だ定められていない。

証券会社へマイナンバーを提出しないとどうなる?

新規に口座を開設する場合

新たに証券会社と取引を始めようとする場合、マイナンバーを提出しなければそもそも口座を開設できない。

既存口座で取引する場合

既存口座での取引ではマイナンバーの提出がなくとも猶予期間終了(2021年末)まで、通常の取引は制限されない。

ただし取引のある証券会社において新たに口座(特定口座、NISA口座、外国証券取引口座など)を開設する場合や、氏名や住所、取引店の変更を行う場合の手続きにはマイナンバーの提出が必要だ。

証券大手の野村證券や楽天証券のウェブサイトには「現時点で取引には制限はかからないが、早めに提出してほしい」と明記されている。

NISA口座を利用する場合

2018年1月1日以降、NISA口座を開設するにはマイナンバーおよび非課税適用確認書の交付申請書の提出が必要だ。この手続き完了までNISA口座の開設や買付はできない。

2017年末までにNISA口座を開設していても、2018年以降引き続きNISA口座を利用するにはこの手続きが必要となる。

これはNISA制度において設けられる勘定設定期間が、第1期勘定設定期間(2014年1月1日~2017年12月31日の4年間)と第2期勘定設定期間(2018年1月1日~2023年12月31日の6年間)に分かれおり、2018年以降は新たに口座を開設する必要があるためだ。

証券会社へマイナンバーを提供するデメリットはあるのか

結論から言ってしまえば、マイナンバーを証券会社に提出することによるデメリットはない。提出の手間がかかるくらいだ。

提供したマイナンバーは適切に管理・利用される

提供したマイナンバーの管理状況については、個人情報保護委員会という第三者機関による監視・監督が行われる。またマイナンバーの不正利用による罰則は個人情報保護法に比べ厳しくなっており、厳格に管理・利用を行う体制が整備されている。

勤務先に取引情報が通知される?

証券会社へ提供したマイナンバーは支払調書の法定調書への記載など、あらかじめ定められた利用目的にしか利用できない。

法令により認められる場合を除けば、取引情報などが他の目的で流用され、勤務先を含む第三者へ提供されることはない。

みずほ証券ではマイナンバーの利用目的を「金融商品取引に関する口座開設の申請・届出事務(新規口座開設・NISAの利用申請・届出事務等を含む)」「金融商品取引に関する法定書類の作成・提供事務」「金融商品取引に関する振替機関への提供事務」とウェブサイトで明記している。

所得・資産状況が税務署や国などに把握されてしまう?

適正・公平な課税の実現はマイナンバーの利用目的の一つであり、所得や資産状況が税務署や国に把握されやすくなると考えられる。

資産や金融取引の情報が一元的に把握・管理されるようになれば、将来的に金融資産課税など課税方式の変更、課税強化につながる可能性もある。

税務当局への取引情報の提供は支払調書の提出によってすでに行われており、所得を正しく申告・納税している人にとっては、マイナンバー提供による不利益はない。

マイナンバーはいずれ提出するものなので早めに手続きをしたい

マイナンバーを提出することのメリットはないものの、提出しなければそもそも取引ができないという大きなデメリットしかない。今後も取引をするのであれば早めに提出しておこう。

文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES

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