• 閑散相場や米国債利回りの低下は、株式相場に悪影響を与える可能性
  • ドル高は、米輸出を弱含ませる
  • カナダ銀行と日本銀行は、今週に政策金利を発表

先週はイースター休暇で休場だった後で、今後決算報告や経済指標によって米国株式は最高値を更新していくのかが焦点になっていくだろう。

S&P 500に採用されている銘柄の3分の2の企業の決算報告が今後数週間で予定されており、これらの影響がどうマーケットに出るかが注目されている。

我々は、昨年クリスマスイブから続く上昇相場に対して現在懸念を抱いている。

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(画像=Investing.com)

CBOE Volatility Index (VIX) は昨年米国株式が最高値を付けた以来で、最も低い水準になっている。現在ボラティリティーが低いことは今後最高値を更新する可能性を示唆する。

一方で、閑散相場やマーケット・ブレスが低いことは、今後の株式市場が下落するシグナルを発していると考えられる。

先週にS&P500は一時2918の高値を付け、金曜日の終値は2905となった。我々が考えている重要な2900のラインを僅かに上回る水準であったが、これは高値を更新してさらに上昇していくと見て良いのだろうか?

S&Pの上昇は、出来高やマーケットブレスに対してネガティブダイバージェンスであり、明らかに高値を更新しない限り、我々はまだ上昇を続けると結論づけることはできない。

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先週、週次で10年債 利回りは長い上髭をつけた。この上髭は11月以来の下降チャネルの上限で跳ね返されている。また、100WMAも同様に抵抗ラインとなっており、まだ10年債利回りの下落は終わってないことを示唆している。今後下降チャネルの下限になっている200WMAを下抜けするかをテストすることになるだろう。もし下抜けすることになれば、株式の下落も続いて起こる可能性もある。

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先週、米ドルは12月ぶりの高値の水準まで上昇した。そして、上昇チャネルラインの上限に達している。この上昇チャネルラインを上抜けすることになれば、さらなる上昇が見込まれる。

50WMAは100WMAをゴールデンクロスした後、200WMAを上抜けしようとしている。週次チャートでこのような立て続けにゴールデンクロスを形成するのは2012年以来起こっていない。

特にトランプ米大統領がEUに対し関税を検討していることを示した後で、ドル高は米国の輸出への圧力となっている。またドル高は、株式への下押し圧力にもなっているだろう。

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とは言っても、NASDAQ 100が最高値を記録しているように米国株式市場の上昇が続けば、今後上昇が続くと判断を見直さなければならないだろう。

一週間の見通し

月曜日

10:00: 米 – 中古住宅販売件数: 551万件から531万件に減少する見通し

火曜日

10:00: 米 – 新築住宅販売件数: 同様に、66.7万件から64.5万件に減少する見通し

水曜日

21:30: 豪 – CPI: 前期比で前回の0.5%から0.2%に減少、前年同期比で前回の1.8%から1.5%に低下する見通し

10:00: 加 – カナダ銀行 政策金利発表

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USD/CADは三角持ち合いを形成している。しかし、上昇トレンドの後ではこの三角持ち合いは上抜けのバイアスがあるだろう。上抜けされれば今後の上昇がみこまれる。

23:30: 米 – EIA原油在庫: 前週では139万6000バレル減であった。

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年初来上昇トレンドである原油は、現在上昇フラッグを形成している。また、50日移動平均線は、200日移動平均線を上抜けしようとしている。

木曜日

未定:日 – 日銀 金融政策決定会合、日銀展望レポート、政策金利発表

USD/JPYは、2月28日以来112.00円を超えられずにいる。もし、上抜けすれば昨年10月の115.00円まで回復する可能性がある。

21:30: 米 – 耐久財受注(輸送用機器除く): 前回の0.1%から0.2%になる見通し

金曜日

21:30: 米. – GDP: 前期比年率2.2%に留まる見通し(提供:Investing.comより)

著者: ピンカス コーエン