自動車保険の保険料は様々な条件で決まり、事故にあうリスクが上がるほど保険料も高くなる。自分でコントロールできる要素については条件を整えて、なるべく保険料を抑えられるようにしたい。

自動車保険の保険料が決まる条件

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(画像=zenstock/Shutterstock.com)

事故リスクの算出に使われる主な条件を見てみよう。

事故歴

事故歴は「等級(ノンフリート等級)」に反映され、保険料に大きく影響する。等級は通常1~20等級まであり、最初は6等級からスタートする。1年間事故を起こさなければ1等級上がり、保険料が安くなる。自動車保険契約を他社に変更しても等級は引き継がれ、安全運転の人ほど有利な保険料になる仕組みだ。

自動車の使用目的

使用目的は、「業務用」「通勤・通学用」「日常・レジャー用」の3つに分かれる。保険料は「業務用」が最も高く、「日常・レジャー用」が最も安い。これは使用目的によって走行距離や運転頻度が異なるためだ。使用目的は厳密に区分できなくても構わない。主な目的が正しく申告されていれば、別の目的で乗った際の事故でも保険金は支払われる。

自動車の種別

保険料は、一般的な乗用車より高級車のほうが高くなりやすい。高級車は事故にあった時の修理費が高額になったり、盗難にあいやすかったりするからだ。

自動車ごとの保険金支払い実績も、保険料に影響する。事故実績は車名やエンジンを管理する型式ごとに毎年算出されるため、同じ自動車で同じ運転をしていても保険金の支払い実績の高い車種は保険料が高くなるのだ。

年間走行距離

事故リスクは、走行距離が短いほど小さくなるので保険料も安い。多くの保険会社は過去1年間の走行実績を基準にするか、今後1年間の走行距離を予測するかして保険料に反映させる。

契約途中で予想した走行距離が大幅に変わりそうな状況になったら、保険会社に連絡を入れておこう。走行距離は目安だが、場合によっては保険金支払いがスムーズに進まないこともあるからだ。

居住地域

居住地域によっても保険料は変わる。一般的に都心部は交通量が多いため事故が起こりやすく、保険料が高くなりやすい。これは自分でコントロールできるものではないので、あまり気にする必要はないかもしれない。

運転免許証の色

過去5年間無事故・無違反で、いわゆる「ゴールド免許」の人は保険料の割引を受けられる。ゴールド免許保有者は、優良運転者として事故リスクが低いと評価されるからだ。保険料が20%も安くなる保険会社もあるため、運転するならゴールド免許を目指したいところだ。

運転者の年齢と範囲

自動車保険の保険料は、事故リスクの低い年代の運転者ほど割安になる。事故リスクは10代や20代の若い世代で高く、最も低い世代は40~50代である。運転者が事故リスクの低い世代のみであれば保険料は抑えやすいが、自分以外の家族が運転する場合は保険会社に相談してみよう。運転者の範囲がどこまで含まれるかは利用頻度などで変わるため、場合によっては保険料に影響しないこともある。

自動車の安全装置

安全装置の付いた自動車も普及してきており、保険料の引き下げに役立っている。たとえば、障害物を検知して作動するブレーキ(AEB)や専用の電子チップでエンジンが始動するシステム(イモビライザー)などがある。

自動車保険の40代保険料の相場は年間4~5万円

保険料は条件や車種などによって大きく変わるため一概に算出することは難しいが、保険会社のホームページで簡易的に確認することはできる。ある保険会社で、40代の保険料をシミュレーションすると以下のようになった。

<条件>
・免許証の色……ブルー
・年間走行距離……7,000キロメートル以下
・車両保険あり

<シミュレーション結果>
等級 トヨタ ヴォクシー ニッサン セレナ トヨタ CH-R
12等級 5万2,380円 4万8,960円 4万5,530円
15等級 4万9,280円 4万6,050円 4万2,810円
20等級 3万6,840円 3万4,400円 3万1,950円

これに近い条件なら、保険料は年間4~5万円前後が目安になると考えられる。あくまでシミュレーションなので、実際にはもっと高くなることもあれば安くなることもある。最終的には自分の条件で詳しい見積もりをしてもらおう。

自動車保険の見積もりは条件をそろえて複数社で

自動車保険の見積もりは、複数の保険会社になるべく条件をそろえて申し込むことが大切だ。そのためには補償内容を決めなければならないため、まずは一社に相談して条件を明確にするといいだろう。その後複数社の見積もりを比較することになるが、手間がかからない一括見積もりサイトを利用するのも手だ。

文・國村功志(資産形成FP)/MONEY TIMES

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