日本円が3日続伸となっている。この要因は、円の安全資産としての性質によるものなのか、それとも主要7カ国(G7)の高官の発言によるものなのか。
持続的なデフレを打ち破るための日銀による積極的な金融緩和が見込まれて、日本株は好調である。一方、日本円は年初来下降トレンドとなっている。G7では為替操作をしないことで合意しており、G7の高官は日銀の金融緩和に対して否定的と捉えられるコメントをしている。
英中央銀行のマーク・カーニー総裁は7日、G7各国は金融政策において通貨安政策を行わないのが原則であると述べた。米国は中国の為替操作を非難しており、米中通商協議において為替条項が重要な論点となっている。
これらの発言を受けて、将来の見通しは不透明なものとなっている。テクニカル分析の観点では、日銀の金融緩和にも関わらず円高を示している。しかし、ファンダメンタルズと同様に明確なことは分からない。
ドル/日本円は200日、50日移動平均線を割り込んだ後に、年初来の短期的な上昇トレンドを下回った。その後、ドル/日本円はさらに下落を続け、100日移動平均線がサポートとなっている。
RSIは3月25日に109.72となった水準を下回っており、109.72を下回ってダブルトップが完成する可能性を示唆している。
MACDは売りシグナルを示している。また、50日移動平均線は200日移動平均線に肉薄した後、下方へカーブしており、抵抗ラインを示している。
トレード戦略
保守的なトレーダーは、ダウ理論下降トレンド成立を確認し、トレンド転換を見極めるべきだ。
一般のトレーダーは、少なくとも109.72の水準を2%下回って、ダブルトップの完成を待つべきである。
積極的なトレーダーは、100日移動平均線を下回り、RSIのダブルトップ形成を確認しつつ、ショートすべきである。
トレード例
- エントリー:110.80
- 損切り:111.00
- 損切り幅:20pips
- 目標価格:110
- 利確幅:80pips
- リスクリワードレシオ:1:4(提供:Investing.comより)
著者:ピンカス コーエン