エアコンや飲料に脚光
関東甲信などで統計開始以来最も暑い夏となった昨年に続き、今年も早くも猛暑の徴候がみられる。10月には消費増税も控え需要が一段と盛り上がるエアコンや、飲料などの関連銘柄をマークしたい。
気象庁が最近発表した3カ月予報によれば、6月の気温は広い範囲で平年を上回る見通し。既に西日本では、真夏日を観測する都市が出始めている。日本電機工業会の発表したルームエアコンの3月の国内出荷額は前年同月比7.3%増と、14カ月連続で拡大した。
昨年は夏場にエアコンの取り付け工事が集中し、購入しても実際の設置に時間がかかってしまうケースがあった。こうしたことも消費者の早い動きにつながっているもよう。大手家電量販店のビックカメラ(3048)も3、4月のエアコン販売が堅調だった。
ボーナス商戦の始まる6月には、量販店やメーカーの売り込みがさらに加速しそうだ。消費増税前の駆け込み需要も予想されるほか、法人向けについても、政府が熱中症対策として昨年度予算に盛り込んだ補助金の効果が本格化する公算だ。
大手エアコンメーカーのダイキン工業(6367)は、今3月期の連結営業利益を2850億円(前期比3%増)と予想する。ただ、これには100億円規模の上積み余地があるとみられる。ゴールドマン・サックス証券では2021年3月期までの中期計画目標(営業利益3480億円)の達成期待を踏まえ、目標株価を1万8000円(14日終値は1万3175円)としている。
エアコン用の冷凍機油原料でトップシェアのKHネオケム(4189)にも商機が広がる。エアコン向けを含む機能性材料の部門利益は、今12月期第1四半期に前年同期比で10%拡大した。
KHネオケムの株価は13日に発表した第1四半期決算を好感し、14日は大幅高となった。ただ、依然として4月の年初来高値3300円を下回り、昨年付けた上場来高値4510円に対する戻り余地も大きい。
猛暑特需の期待は飲料メーカーにも及ぶ。サントリー食品インターナショナル(=サントリBF、2587)は、4月から同社初の缶入り濃縮タイプの麦茶を発売した。180グラム入りの缶で2リットルの麦茶を作れるため、搬送コストや保管スペース削減にも寄与する。会社計画を上回る好スタートを切っており、今月から全国でテレビCMも始まった。飲料缶の東洋製缶グループホールディングス(5901)なども恩恵を受ける可能性がある。
そして穴株は「ミネラル麦茶」の石垣食品(2901・JQ)だ。昨年、一昨年ともに夏場に株価が急騰し、今年も値動きの軽いシーズンストックとして注目を怠れない。(5月15日株式新聞掲載記事)
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