マンションを購入した後にかかる費用には、住宅ローンや管理費・修繕費のほか、意外と忘れがちな固定資産税があります。今回は固定資産税の計算方法と新築マンションに適用される固定資産税の軽減措置についてご紹介します。マンションを購入すると、およそどれぐらいの固定資産税がかかるのかを理解しましょう。

マンションにかかる固定資産税とは

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(画像=PIXTA)

土地や建物を所有すると毎年かかる税金

固定資産税とは、土地や建物などの固定資産を所有する人にかかる税金です。マンションを購入した場合は、持分に応じて土地と建物の固定資産税を払う必要があります。

納税額は3年ごとに見直される

土地や建物の評価は3年ごとに見直しが行われます。固定資産税は固定資産の評価額に応じて決まるので、その納税額も3年ごとに変わります。

延滞すると差し押さえられる可能性も

固定資産を保有すると毎年4月から6月に納付書が送られてきますが、納付書に書かれている期日までに税金を払わないと延滞金が発生します。東京都の場合、期日から1ヵ月以内であれば2.6%、それを超えると8.9%と非常に高額になります。

最悪の場合、差し押さえられる可能性もあるので、納付日までにきちんと払うようにしましょう。

マンションの固定資産税の計算方法

固定資産税の計算式

固定資産税は、土地と建物それぞれの評価額をもとに課税標準額が決まり、それに税率をかけて計算できます。固定資産税は地方税なので住んでいる地域によって変わる場合もありますが、大体は国が定めた目安の1.4%になっています。つまり、

固定資産税の額 = 課税標準額 × 1.4%

です。土地や建物の評価額は、自分で自治体の固定資産課税台帳を閲覧することで確認できます。そのため、上の計算式を使えば、納付書がなくても固定資産税の額を計算できます。

住宅用の土地の課税標準額

土地を住宅の敷地として利用する場合、200平方メートル以下の部分は課税標準が6分の1になるという特例措置があります。マンションの場合、土地の面積を居住用の住居の戸数で割った面積を用いるので、多くの場合200平方メートルを下回り、課税標準額は土地の評価額の6分の1になります。

新築マンションには軽減措置がある

条件を満たせば税額が2分の1に

新築の建物は、条件を満たせば床面積120平方メートルまでの部分について、税額が2分の1になります。その条件とは、

・2020年3月31日までに新築された建物であること
・床面積が50平方メートル(貸家の場合は40平方メートル)以上280平方メートル以下であること

です。 減額される期間は、一般住宅の場合3年、3階建以上の耐火住宅であれば5年となっています。3階建以上のマンションは5年間建物の固定資産税が半額になるとイメージしておきましょう。

長期優良認定住宅とは

住宅の広告などで「長期優良住宅」という言葉を目にしたことはないでしょうか。これは「長期優良住宅認定制度」としての基準をクリアし、長い間安心して暮らせると認定された住宅のことです。

この長期優良認定住宅では、税金が半額になる期間がプラス2年になります。つまり、3階建以上の耐火マンションでかつ長期優良認定住宅であれば、新築から7年間固定資産税は半額になります。

新築マンションの固定資産の計算例

では、実際に以下の新築マンションについて固定資産税を計算してみましょう。

物件)新築マンション(長期優良認定住宅ではない)
・床面積100平方メートル
・土地の評価額:3,000万円
・建物の評価額:1,200万円

ここまでの項目は、固定資産課税台帳などで確認することができます。実際に計算してみると、

土地の固定資産税:3,000万円 × 1/6 × 1.4% = 7万円
建物の固定資産税:1,200万円 × 1.4% × 1/2 = 8万4,000円

つまり、このマンションの1年目の固定資産税の税額は、7万円+8万4,000円=15万4,000円になります。

計算方法を知ってしっかり確認を

固定資産税は各地方自治体が行なっていますが、ミスがないとは限りません。計算方法を知って、評価額は合っているか、軽減措置はきちんと適用されているかを確認できるようになっておきましょう。また、税金を期日までに払わないと、最悪差し押さえの可能性もあるので、忘れず納付することが大切です。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)/fuelle

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