• 5/21の寄付き前に2019年度第1四半期決算を報告予定
  • 予想売上高:263億7000万ドル
  • 予想EPS:2.18ドル

アメリカ最大の住宅リフォーム資材の小売チェーンであるホームデポ(NYSE:HD) は、21日2-4月期(第1四半期)決算を発表するが、あまり良い結果は期待されていない。住宅市場の低迷と、春の悪天候日数の高さによる園芸用品の需要低下が指摘されているからだ。

この2つの要因が同社の利益を逼迫すれば、2018年後半からの利益低迷がまた続くことになる。前回の11‐1月期決算報告では、売上高成長率がアナリスト予測の4.5%を下回り、3.2%にとどまっていた。それ以前では、30四半期連続で前年同期の売上高を上回るという同社の歴史上最大の売上増加がみられていた。

住宅市場の低迷に加え、天候も同社業績に不利に働いている。米国の大部分で春の訪れが1週間から10日間遅れたと報じられている。園芸シーズンにとなる春は多くの消費者が園芸用品を購入し、リフォームを行う季節なのでリフォーム用品小売業にとっては鍵となる四半期なのだ。4/29日までが同社の第1四半期となっている。

向かい風はすぐにやむ可能性

短期間の向かい風はあったが、小売業に対する好況期は終わったと示す材料はほとんどない。経済の直近の展望を見てみると、特に住宅市場においては、昨年9月から続く住宅市場の低迷が更に悪化していく様相は見せていない。

4月の米国住宅着工件数は2ヶ月連続で増加し、市場予測を上回った。また米中間貿易戦争により生じうる影響に対処するため、FRBは住宅ローン金利を安定化させる動きを見せている。

ウォルマート(NYSE:NYSE:WMT)決算で明らかになったように消費者支出は依然として堅調だ。同社は、9年間で最高となる2-4月期(第1四半期)売上高の成長を示した。

好調な経済に支えられ、ホームデポ株は市場の低迷を上手く切り抜けており、20日の終値は190.95ドルで年初来11.13%の上昇となっている。同社は高配当株で、大規模な自社株買いを計画していることは、今後の買い材料となるだろう。

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(画像=Investing.com)

総括

今年初めに向かい風が少しあるとはいえ、改善傾向にある米国住宅市場と堅調な消費者支出を考えるとホームデポの株価は今年まだ上昇するはずだ。決算報告を受けて株価が下落すれば、同社株に投資する良いタイミングとなるだろう。米中貿易戦争の過熱による経済への不安は拭えないものの、同社株は長期投資に適した銘柄だ。同社の四半期配当は過去10年間で500%拡大し、配当性向も42%と健全な水準だ。更に同社は増配する余地を十分に残している。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル