01
(画像=iStock.com/kokouu)

飲食店の客が、初来店から再来店する確率は一般的に30%ほどだと言われている。例えば、10名の来店があれば、そのうちリピートしてもらえるのは3名程度。この確率を上げることが繁盛の秘訣だ。3月と4月は歓送迎会などの宴会シーズンとなる。今回は宴会利用客に向けたリピート率アップのための施策を紹介しよう。

飲食店のリピーター獲得施策1:バースデークーポンを送付する

宴会客は1組あたりの客数が多いので、リピート客を増やすチャンスも多くなる。単純にその場で次回割引券を配るという手もあるが、少し手間をかけて、お客様ひとりひとりに向けた施策を考えてみよう。例えば、アンケートを兼ねて誕生日や住所などの記入をしてもらい、誕生日前月にバースデークーポンを郵送する方法だ。アンケートでお客様のニーズやご要望などを聞くのも忘れないようにしよう。今後の店づくりのヒントにつながるはずだ。

また、バースデークーポンの利用率を上げるには、特別感のあるものを特典にする必要がある。単なる割引ではなく、スパークリングワインのミニボトルをプレゼントしたり、誕生日の特別メニューを用意するといった具合だ。自分の誕生日にクーポンを利用することに抵抗のある方もいるので、友人の誕生日に使えるようにしてもいいだろう。

02
(画像=iStock.com/orsonsurf)

飲食店のリピーター獲得施策2:ランチ割引カードを配る

近隣オフィスの宴会客の場合には、ランチ割引券などが効果的だ。できれば、1回限りのサービスではなく継続的なものがいいだろう。日常的にランチを利用してもらえれば、常連客として夜の時間帯の利用にも繋がりやすいからだ。

また、利用回数を増やすためには、割引券ではなく、宴会利用客限定の会員カードを用意するのもよい。チケットだと一度使うとなくなったり、紛失してしまうこともあるが、カードであればずっと財布に入れておいてもらえるので、お店のことを忘れられにくいというメリットもある。割引で客単価を下げたくない場合には、男性客には大盛り無料サービス、女性にはミニデザートサービスなどオプションサービスも喜ばれやすい。

飲食店のリピーター獲得施策3:職場へのランチデリバリー

近隣オフィスのお客様であれば、ランチのデリバリーサービスも有効だ。事前にクーポン付きチラシを用意しておき、宴会の終わりに幹事の方に渡そう。ある程度まとまった注文になる上、固定客になってくれる可能性もある。

ちなみにクーポンを渡すだけだと利用してもらえないこともあるので、宴会の翌日に幹事の方にお礼の連絡を入れたり、可能であれば職場にお手紙などを書いてクーポンを同封してもいい。特典を利用してもらうためにはこのようなアフターフォローも重要だ。

03
(画像=iStock.com/daruma46)

飲食店のリピーター獲得施策4:SNSで継続的にアプローチ

アナログな手法と合わせて、若い世代に向けてSNSを活用した施策も取り入れたいところ。例えば、宴会の名称を「SNS割」「インスタ割」などとして、宴会客全員にフェイスブックページの「いいね!」やインスタグラムのフォローをしてもらう。そうすれば自然とお店のページの拡散、認知度アップにつながる。

また、フェイスブック、インスタグラム以外では、LINE@もとても効果的なツールだ。お店のアカウントを友達追加してもらうことで客とのメッセージのやりとりが可能になる。他のSNSとの大きな違いは、店側から客に一斉にメッセージを送ることができる点だ。日替わりランチや、季節ごとの宴会メニューのお知らせ、さらに特典などを手軽に配信できるというわけだ。客側も気軽にLINEメッセージで予約等ができるので、客との距離を縮めやすいメリットもある。

飲食店のリピーター獲得施策5:団体様の名前でボトルをサービス

職場の歓送迎会などでご利用の場合に、その会社の名前を入れた焼酎ボトルをプレゼントする店も存在する。ポイントは、宴会中の特典ではないこと。宴会のお開きの際に「ぜひ職場の皆様でお使いください」と言ってボトルをプレゼントするとより効果的である。同僚同士の利用はもちろん、接待などで継続的に利用してもらえる可能性が高まる。

割引チケットなどの場合は、利用率が低いこともあるが、ボトルの現物は客の印象にも残り、使わないともったいないという気持ちも強くなる。コストはかかるが利用率が高まる方法だと言えるだろう。

今回紹介したのはほんの一例ではあるが、いずれの場合も「宴会を利用したから受けられる特典」であることが重要なポイントだ。客は、いつでもどこでも得られる特典には特別感を感じない。「あの宴会でもらえた特別な特典」だから使ってみようという気持ちになる。ぜひ、継続利用してもらえるような宴会客専用の特典を考えてみよう。(提供:Foodist Media

(執筆者:大槻洋次郎)