春は引っ越しのシーズンですね。住民票や免許証をはじめ、各種契約の住所変更手続きに時間を取られる方も多いのではないでしょうか。「年金」ではどのような手続きになるのか、解説します。

年金の住所変更は原則「手続き不要」!

年金手帳,住所変更
(画像=PIXTA)

実は近年、年金手帳の「基礎年金番号」と「個人番号(マイナンバー)」が連携できるようになりました。2018年3月5日以降は、2つの番号がきちんと紐づいてさえいれば、市区町村役場での住民票の異動だけで、年金の方も自動的に書き換わるようになっています。

厚生年金加入の手続きを会社でしてもらっている会社員などの場合、会社にマイナンバーを提出したことがあるようなら、総務や人事など担当部署で処理する際に紐づけが済んでいるはずです。国民年金加入の手続きを自分でした場合も、近年であれば書類にマイナンバーを記入して紐づけができるようになっています。

紐づけができているか自信がないときは、一度最寄りの年金事務所に問い合わせてみましょう。基礎年金番号かマイナンバーのどちらかでもわかっていれば、電話でもすぐに教えてもらえますよ。

手続きが必要になるケース

番号が紐づいていないときには年金の住所変更手続きが必要ですが、それ以外にも、手続きが必要な場合があります。

マイナンバーを変更した

マイナンバーカードを外出先で紛失してしまったなど個人情報漏洩の危険があるときは、番号そのものを変更することができます。この変更をすると、基礎年金番号との紐づけが消えてしまうので、「個人番号変更届」を提出する必要があります。

住民票とは違う住所に住んでいる

日本年金機構からのお知らせなどは、通常であれば住民票の住所に届きます。もし単身赴任中など、何らかの事情で住民票と違う住所に住んでいるときは、手続きしておけば郵便の届け先を現住所の方に設定できます。「被保険者住所変更届」(年金受け取り中の方は「年金受給権者住所変更届」)を提出しましょう。

これでいったん住民票以外の住所を登録すると、次回から住民票の異動による自動更新がされなくなります。そのため、もう一度住所変更する場合は、再度「被保険者住所変更届」の提出が必要です。

手続き書類の提出先は?

住所変更の手続き書類の提出先は、自分が国民年金の第何号被保険者かによって違います。

(1)第1号被保険者……自営業、フリーランス、農業漁業、無職、学生など、第2号と第3号以外の方。
引越先の市区町村役場の国民年金担当窓口に、自分で提出します。

(2)第2号被保険者……会社員、公務員など厚生年金に加入している方。
勤務先の担当部署に手続きが必要なことを申告し、新住所を伝えます。書類を日本年金機構に提出するのは、担当部署の方でしてもらえます。

(3)第3号被保険者……第2号被保険者に扶養されている配偶者の方。
第2号被保険者(配偶者)を通して、配偶者の勤務先の担当部署に申告します。あとは、第2号同様、担当部署から日本年金機構に提出し、手続き完了になります。

年金手帳に記載されている住所の変更はどうする?

もし年金手帳に旧住所が書いてあっても、特に急いで書き換える必要はありません。青色の年金手帳には、そもそも住所記載欄が存在しません。ただ、住所の記載があると金融機関の本人確認資料として提出できるケースもありますので、もし必要に迫られたら、新住所を自分で手書きしておくとよいでしょう。

国民健康保険の手続きは忘れずに

年金と同じ「社会保障制度」の一つに、健康保険があります。第2号被保険者や第3号被保険者の方なら、年金同様、住所が変わったことを会社に申し出れば、手続きしてもらえるでしょう。

注意が必要なのは、第1号被保険者の方です。第1号被保険者は、第2号や第3号とは別の「国民健康保険」という制度に加入しています。こちらは、マイナンバーとの結びつきがなされていないので、自分で手続きする必要があります。

同じ市区町村内での引っ越しなら、その市区町村役場に一度行けば済みますが、別の市区町村に出る場合は、転居前は「資格喪失」の手続き、転居後は「加入」の手続きが必要になります。何度も行くことになると面倒なので、転出届・転入届と同じタイミングで済ませておくのがおすすめです。

この手続きが漏れてしまうと、最悪の場合、保険料をさかのぼって納付しなくてはならなくなったり、医療費が全額自己負担になったりすることもあります。市区町村のホームページで、手続きに必要な持ち物(保険証や印鑑など)を確認することができますので、忘れず持って行くようにしましょう。

文・馬場愛梨(「貧困女子」脱出アドバイザー/ばばえりFP事務所 代表)/fuelle

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