★米主要指数はまちまち。 週明けの米国市場では、株価指数ではナスダックとS&P500が続落となったほかは、おおむね微弱な反発。力強さは感じられませんが、どうやら下げ渋っているようには見えます。 ダウ輸送株指数で言えば、7日続落。これまで3月の続落では12日続落、昨年12月は9日続落でした。 ただ、連続陰線では今回7日、3月が11日、昨年12月が12日でした。 そろそろ、とはだれもが思うところですが、果たしていったん底入れをするでしょうか。 また、もう一つの問題は、昨年12月を1番底とした場合に、今回は2番底と見ていいのでしょうか。
★ナスダック、S&P500の続落は、反トラスト法が材料。 取り合えず微弱ながら反発をした指数が多い中で、ナスダックとS&P500が続落となったのは、米国政府がアマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルへの独占禁止法違反を巡る調査準備を進めているというロイター報道が原因でした。
★今週のスケジュールから~連銀主催の会議、G20前哨戦 昨日からトランプ大統領が訪欧していますが、外遊中はこの人物はあまり突飛なことを言わないので、恐らくあまり材料になることもないでしょう。 非常に個人的に注目しているのは、4日火曜日です。
(天安門事件30周年) ご存じ、中国では天安門事件30周年ですから、厳戒態勢になっているわけですが、しばらくこれが過ぎて世情が落ち着いているようですと、米中協議棚上げから1ヶ月ですから、そろそろ両国の協議再開の動きが出始めるはずです。実際には週明けにならないと出ないかもしれませんが、ここはひとつの転機になってくるかもしれません。
(連銀主催の有識者会議) もう一つ同日に、FRB(連棒準備理事会)は、金融政策に関する会議を行うとしています。5日まで2日間の予定だそうです。 週末7日金曜日の雇用統計の概要を連銀は知っているはずですから、それを踏まえた会議ということになります。 著名な学者に加え、労働組合や地域団体の代表なども招くもので、連銀は金融政策手段や伝達方法、物価安定と雇用最大化という目標の定義などを見直すべきかを巡り、今年行う検討作業の柱となるそうです。 これは前例のない会議ですので、影響はよくわかりませんが、利下げを正当化させる布石かもしれません。今月18-19日にFOMCです。
(G20蔵相・中銀総裁会議) G20は、28-29日に大阪で開催される予定ですが、その前哨戦として各国蔵相と中央銀行総裁が8日土曜日に福岡に集まり、協議します。9日までの予定です。 このあたりから、28-29日の首脳同士の本会議に向けて、協議の前哨戦が始まりますから、次第に6月の「政治・政局」の動きが顕著になってくるはずです。
★月間のアノマリーは、今週末から来週末。 月中で一番相場が下がりやすい確率なのが、7日の米雇用統計から、14日の日本のメジャーSQです。 安値はどこでつけるかはわかりません。今週か、アノマリーの最中か、翌週かもしれません。 いずれにしろ、市場参加者はこういうアノマリーがあることは百も承知ですから、それに応じた反応をするはずです。
★戦略方針:
個別銘柄主体のポジションについては、5月10日以来ヘッジをかけてきた1357(日経ダブルインバースETF)を、いったんヘッジ解除して、キャッシュ化の判断をします。 根拠は大したことがありませんが、二つあります。 一番脆弱な半導体SOX指数が、その他指数の続落商状の中で、6日間底練りとなり、下がらないこと。 もう一つは、米10年国債利回りの、25日移動平均線からの下方乖離率が日足では過去2年、週足でも過去5年を振り返っても、ほとんど最低水準にまでほぼ到達してきていること。 ちなみに、よりFFレートに近い動きをする米2年国債利回りに至っては、上記二つの視点ではいずれも完全に最低水準を更新しています。 そこまでのファンダメンタルズ上の景気悪化というものが考えられませんから、早晩相場には修正が入るはずだという想定に立ち、ここではいったんヘッジの解除とします。 あとはキャッシュで様子を見るという判断にしました。
ちなみに巌流島方式では、これは週足ベースの2要件で判断するため、このまま1357はホールドです。 以上(提供:Investing.comより)
著者:増田経済研究所 松川行雄