先週、将棋の羽生善治九段が歴代単独1位となる1434勝を達成した。これまでの記録は1992年に故大山康晴十五世名人が69歳で達成した1433勝で、48歳の羽生九段は故大山十五世名人より21歳も若い年齢で新記録を樹立することとなった。
ところで、将棋愛好家の中にはオンライン対戦ゲーム『将棋ウォーズ』のユーザーも多いのではないだろうか。後段で述べる通り、『将棋ウォーズ』は毎日24万人ほどのオンライン対戦が行われ、総ユーザー数は500万人を超えるゲームである。この『将棋ウォーズ』を運営する企業が東証マザーズに上場するHEROZ <4382> だ。
HEROZはAI(人工知能)技術を活用したサービスの企画から開発、運用に取り組む企業で、2017年の第2期電王戦では同社が開発した「Ponanza」が佐藤天彦名人に勝利して話題を呼び、翌2018年のIPO(株式公開)では「初値が公募価格の10倍になった」ことで市場参加者を驚かせる場面もあった。その後、HEROZ株はIPO時の高値から4分の1まで下げたが、今年になって再び人気化、先週は連日の年初来高値を更新する場面も見られた。
将棋の名人に勝利したAI技術は、「投資の世界」でも勝利出来るのだろうか? 今回はHEROZを取り上げたい。