なぜか相手とうまく噛み合わない――営業でそんな経験をしたことはないだろうか。そんな時は、距離感や座る位置を少し工夫すると関係性がぐっと深まるかもしれない。今回は、営業や後輩指導で活かせる「距離の取り方」について、男女差や個人差を踏まえて解説する。

営業ケーススタディ(6)――距離感で相手に「味方」と思わせる

営業心理学
(画像=autumnn / shutterstock.com、ZUU online)

社会人3年目の若林心一(25)は、新規営業や後輩指導に忙しい日々を送っている。そんな中、後輩の助けになればと新人・新垣理子(22)と1on1の面談をしたものの、何のてごたえもなく終了してしまう。翌日のセミナーでは有力な見込み客である社長から相談を受けた若林だが、なぜか話が弾まない。若林の二つの失敗に共通する理由は、距離感にあった――。営業で活かせる心地いい距離の取り方・座る位置について、15年目のベテランである先輩・及川圭佑(37)のアドバイスもまじえて解説する。

この距離感、正しい?営業なら誰もが悩む座る位置

「配属されてもうすぐ1カ月経つけど、どうかな? 何か困っていることとかある?」

空調の効いた面談室で、若林は今月配属されたばかりの新人・新垣理子(22)にそう尋ねた。2人はテーブルを挟んで向かい合って座っている。新垣は首を傾げ、若林を真っ直ぐ見返しながら答えた。