2019年6月12日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
米ドル/円は108.50円を中心に方向感が出ていない。米中貿易戦争や米利下げ観測は米ドル/円にとってネガティブ要因であるが、米利下げ観測からの株価上昇はポジティブ要因となるため、強弱材料の綱引きから膠着状況を抜けだせずにいる。また、トランプ相場も健在でツイート1つで相場の流れが変わるため、こちらも怖くてポジションを大きく傾けられない要因だろう。イベントでは本日12日(水)21時30分に予定されている米消費者物価指数は注視したい。FRBが米利下げスタンスを鮮明にするなか、インフレの最重要指標の結果次第で利下げが加速するか、後退するかに注目だ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
不透明要因が多く米ドル/円はどちらかに偏ったポジションは危険ではあるが、トランプ米大統領の場当たり的(これが計算かもしれないが)なツイートを見ているとやはりリスクオフに警戒しなくてはならないだろう。足元のツイートでも「今月末のG20で米中首脳会談が実現しなければ全輸入品に関税を課す第4弾を直ちに実施する」と語っている。しかし、米中首脳会談は現段階で何も決まっていない。G20まで残り時間が少ないなかで米中首脳会談の開催のあるなしを別にしてもここから何らかの合意にもっていける確率は低いと考えておくべきだろう。また、ここ数日、米利下げ期待から株価が上昇しているが、こちらも上昇が一服すれば米利下げの催促相場となり、ドル安再燃も考えられる。日足チャートを見ると上値は足元できれいにワークしている21日移動平均線の差し掛かる109.15円付近が意識される一方、下値は今月に入って4回サポートされている107.80~107.90円が急所となる。基本スタンスはレンジ下限に向けて売っていく方針だ。
井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。