2019年6月18日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米ドル/円は、108円台には結構大きなオプションがあり、107円台には機関投資家の買いがあるため、下値は相当固そうだ。ただ一方で、109円台にも実需の売りがあり、両サイドガチガチ状態。また特に今週は、20日(木)日本時間早朝にFOMCがあるため、上値も重いだろう。米国の利下げに関しては、さすがに今月6月はないだろうが、マーケット内では7月を予想する声が非常に多い。7月の利下げというのは、実際に実施されるとすれば、要は、米中貿易摩擦が改善しないから、さらに関税をかけるという状態で、FRBが米経済を支えるための「予防的引き下げ」といった意味合いになるだろう。しかし、実際の利下げは、個人的には9月だと思っている。7月の利下げをマーケットが思い込み過ぎていると、利下げがなかったときに米国株が大きく崩れるだろう。そしてリスクオフになり、米国債にお金が流れて、長期金利が上がって、それでもドルはさほど買われないのではないだろうか。リスクオフになった際、クロス円が特に下がりそうだ。米ドル/円は多少上がるにしてもクロス円は下がりそう。特に本日18日(火)時点で既に英ポンド/円が崩れており、135.50円台まで落ちている。これは年初の大暴落した1月3日の翌日、1月4日の安値を割っているレベルだ。ハードブレグジットに向けてポンドはまだ下がりそう。全体的にユーロ/米ドルも重たいし、米中貿易摩擦や中国の景気減速で豪ドル/円、NZドル/円も重たいので、クロス円は全般売りとみている。ただ、下落一辺倒とはいかないため、止まったら利食い、また戻りを待って売る、といった形で利食いをしっかりやっていくのが賢明だろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円の予想レンジは107.50~109.20円。基本的には108円台を中心とした揉み合いを予想するため、上下とも予想レンジまでは届かないかもしれない。戦略的にはクロス円同様、戻り売りから入ってしっかりと利食いたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。