国際送金サービスのウエスタンユニオン (NYSE:WU)は18日最大4.3%下落し、その日S&P 500の中で最も下落した銘柄の一つとなっていた。

背景として、同日にフェイスブックが独自仮想通貨の「リブラ」を発表し、今後仮想通貨による安価な送金サービスが台頭するという懸念材料があった。

しかし、フェイスブックは現在反トラスト法違反の疑いで当局からの調査を受けていることや、また米下院金融委員会のマキシン・ウォーターズ委員長が議会や規制当局による精査があるまでリブラの開発停止を求めるよう声明を発表したことなど、リブラの登場は期待されているより長引く可能性がある。

リブラへの期待に対して、ウエスタンユニオンのビジネスモデルを脅かすと考える人々もいる。5月7日に発表されたウエスタンユニオンの1-3月期の決算報告では、C to Cの送金が同社の売上高の79%を占めている。これらのファンダメンタルに加え、テクニカル的な観点でもウエスタンユニオン株は今後下落することが考えられる。

ウエスタンユニオン 日足
(画像=Investing.com)

ウエスタンユニオン株の日足チャートを見ると、年初来から上昇チャネルラインの中で取引されている。

18日の下落は、この上昇チャネルラインの下限と50日移動平均線に支えられた。しかしRSIとMACDでは、上昇チャネルライン中で2度目の売りシグナルが発せられている。

先月に50日移動平均線は200日移動平均線を上抜けしゴールデンクロスとなり、100日移動平均線は上昇チャネルラインの下限のサポートとして機能されているが、RSIを見るとRSIの上昇トレンドラインを下抜けしていることが窺える。

RSIの下落のモメンタムが増していることにより、価格も続いて上昇チャネルラインの下限を下抜けすることが予想される。価格が200日移動平均線を試すとなると6週間ぶりとなる。

RSIは先行指標となることがある一方、MACDは遅行指標である。MACDで短期MAが長期MAを下抜けするとなると売りシグナルとなり、先行指標のRSIに対する裏付けとなるだろう。

トレード戦略

慎重なトレーダーは、長期でダウ理論下降が成立するまでショートは待った方が良いだろう。

一般トレーダーは、200日移動平均より下まで下落し、そこの水準が抵抗ラインに変わるのを確認。そして大陰線でトレンドが決定してショート。

積極的なトレーダーは、FOMC後のボラティリティーを考慮の上でショート。

トレード例

  • エントリー: $20
  • 損切り: $20.50
  • 損切り幅: $0.5
  • 目標価格 $18.50
  • 利確幅: $1.50
  • リスクリワードレシオ: 1:3(提供:Investing.comより)

著者:ピンカス コーエン