スナップ(NYSE:SNAP)は強力な業績の回復を見せ、アナリストを驚かせている。同株は昨年12月に過去最安値を付けて以来、約192%高となっている。この反発を受けて、同社が最悪の時期を脱したと考える向きも多い。

スナップの株価上昇の背景には、グーグル(NASDAQ:GOOGL)やフェイスブック(NASDAQ:FB)が直面している規制当局や独占禁止法の脅威がある。

Snap Price Chart
(画像=Investing.com)

また同株上昇の最大の要因は、大幅なアップデートによってメインターゲットである10代が、スナップチャットを再び利用し始めたからである。

最新の1-3月期決算では、デイリーユーザー数が400万人増加し、利益が39%増で予想を上回った。

同社のユーザー数が伸びていることに加えて、同社の新機能も好感されている。同社のゲームプラットフォームやARレンズは最近話題になった。

Pivotal Research社のMichael Levine氏は「スナップチャットの新レンズは、最もイノベーティブであり、印象的である」と述べた。同氏はスナップの目標株価を17.25ドルに設定し、買い推奨とした。また「我々の見解では、スナップはVRにおいて真のイノベーションとなるだろう」と述べた。

ソーシャルメディア大手には規制が立ちはだかる

スナップの業績改善は同株の上昇に大きく貢献している。しかし、ソーシャルメディア大手に対する規制当局の目が厳しくなっていることも、同株にとって好材料となっている。特定の層のユーザーを抱え、悪用の余地がほとんどないスナップチャットは、グーグルやフェイスブックほど規制の影響を受けないと考えられる。

ウォールストリートジャーナルによると、ユーチューブは子どもを有害なコンテンツから守るために、子ども向け動画をすべてユーチューブキッズに移転している。

ソーシャルメディア大手に対する圧力が続く場合、スナップはより魅力的な銘柄となり、買収の噂も再び浮上するかもしれない。

総括

我々の見解では、スナップは変動が激しく長期投資には不向きな銘柄である。株式は反発しているとは言え、公募価格である17ドルを約13%下回っている。またフェイスブックが運営するインスタグラムは今後も同社の最大の脅威となり続けるだろう。

これらの不確実性の高さから、スナップが回復基調にあると考えるのは時期尚早である。しかし、同株は買収の噂などの好材料を受けて、逆張りの投資家にとっては魅力的な銘柄と言える。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル