不動産セレクト・セクター SPDR ファンドは先週、1.1%の下落となり各セクターの中で最も悪いパフォーマンスであった。
先週のFOMCで利下げ期待が高まっているのにも関わらず、不動産セクターが振るわないのは奇妙なことである。一方、先週発表された 中古住宅販売件数は、予想前月比年率1.2%増であったなか、2.5%増という結果になった。
金利が低下すると住宅着工の増加が促され、不動産セクターも押し上げられるはずである。米10年債利回りは一時2.00%の水準を割り、2017年以来の低水準に迫っている。
利下げへの観測が強まっているのにも関わらず、不動産セクターが不調であるときは市場に対して通常より注意を向ける必要がある。
機関投資家は不動産セクターを売り、同時に債券を買い集めていると読むと、これは経済後退へのサインなのだろうか?以下のチャートから動向を読み取っていこう。
先週のFOMCで利下げ色が一層濃くなったことにより、不動産セレクト・セクター SPDR ファンドは過去最高値まで押し上げられたが、そう長くは続かなかった。現在では、下落局面に突入している。
テクニカル分析的には、2つの窓を開けて離れ小島のようにピークを打ち「アイランドリバーサル」と呼ばれる形が出現してる(上図:赤丸)。一般的に、上昇トレンドでこの形が現れると天井を打ったサインとされる。また、イブニングスターとして見ることもできこれもなお弱気サインである。
これらの転換シグナルは、先行する上昇トレンドが前提となっており、今後の下落を示唆する。
その先行する上昇では、不動産セレクト・セクター SPDR ファンドは過去最高値を打ったこともあり転換する可能性はより高いものとなっている。
トレード戦略
慎重なトレーダーは、上昇トレンドラインである37ドルの水準まで下落後、ロングエントリーを検討しても良いだろう。
一般的なトレーダーは、イブニングスターによる転換が確認でき、大陰線で下落したらショートエントリーを検討。
積極的なトレーダーは、リスク管理の基で現在ショートを検討してもよい。
トレード例
- エントリー: $38.50
- 損切り: $38.65, 過去最高値
- 損切り幅: $0.15
- 目標価格: $37.00
- 利確幅: $1.50
- リスクリワードレシオ: 1:10(提供:Investing.comより)
著者:ピンカス コーエン