★ようやく、調整色。 週明けの米国株市場は、頭打ちでした。 主要株価指数はまちまちで、調整色がようやく出て来たようです。それも値幅による調整というよりは、日柄的なものに今のところはとどまっています。一言で言えば、G20控えて、様子見ということなのでしょう。 米中首脳会談が迫っていることから、両国の歩み寄りがみられるのではないか、ということです。 米国のイランに対する制裁は強化。ハメネイ師も制裁対象にし始め、英独仏もイランに「核合意違反」の場合に備えて共同で警告を発しています。 主要3指数はほぼこの三日間、同じ水準え高原状態。ダウ工業株だけプラスで、ほかはマイナスです。

★定点観測。 先行指標のダウ湯剃株指数が比較的大きな下落となっており、25日線まで押し戻されました。ラッセル2000小型株指数も50日線・200日線を相次いで割り込み、25日線が迫っています。 この二つが1%以上の下げになっているわけですから、一応、相場は調整に入ったとみてよいでしょう。 半導体SOX指数はまったく持ち合いです。移動平均線との位置関係は50日線下ということで、変化ありません。 相場全体が一般調整に入ったということは、ダウ公共株指数が史上高値を更新していることでもわかります。 資金が株式市場から逃避するような深刻な調整ではない、ということです。 実際、最大のリスク指標であるジャンクボンドは甘いていどであり、(動きは主要3指数とほぼ同じ)高原状態の持ち合いという状況です。すべての移動平均線を上回り、しかも年初来高値水準でのもみ合いです。 一方マネー循環を示す米10年国債利回りは、年初来最低水準でこれまた揉み合い。若干上昇しているわけですが、これもこの3日ほぼ底辺で底這いに近い動きになっています。

★物色動向。 昨晩の米国市場の物色動向の特色としては、ハイテク(マイクロソフト、フェイスブック、アマゾンなど)に資金が戻り始めている一方で、安全パイのヘルスケアが売られています。ディフェンシブ系すべてが駄目ということではありません。たとえば、コカ・コーラ、P&G、ジョンソン&ジョンソンなどは高いのです。 メリハリは無いので、物色動向に鮮明な変化があるようにはまだ見受けられません。 日本でも日経平均上昇寄与度のトップのほうでは、リクルート6098、NTTデータ9613などディフェンシブ系が幅を利かせている状況ですが、一方で、ソニー6758、ファナック6954、キヤノン7751、ブリヂストン5108など典型的な景気敏感株が、上位に食い込んできていることから、物色対象のシフトが行われている可能性は否定できません。

★戦略方針: フルポジション持続です。ただ、ダウ輸送株指数が続落なら、やや警戒にポジションを落とさなければならなくなるでしょう。 銘柄のスクリーニングは、「一粒萬倍」勉強会サイトを参照。(提供:Investing.comより)

著者:増田経済研究所 松川行雄