2019年6月26日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日25日(火)の夜はパウエルFRB議長、ブラード・セントルイス連銀総裁両名の発言が米ドル/円の下落に歯止めをかけた。まず、ブラード連銀総裁が「7月に50bp(0.5%)の利下げを実施する状況にない」とし、続いて発言したパウエルFRB議長も「不確実性が緩和を必要とするか注意深く見ているが、短期的な指標に過剰反応しない」と述べ、過度な利下げ見通しをけん制した。両者の発言を受けて米主要3指数はそろって下落しており、利下げを背景にしたドル売りも一旦停止となっている。また、本日26日(水)は受け渡しベースでいうと四半期末で月末となるため、ドル需要や、リバランスなどのフローから一時的なドル高には警戒したい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

マーケットの関心は今週末29日(土)と30日(日)に予定されている大阪G20サミットでの米中首脳会談だ。各社の報道を見る限り、今回の米中首脳会談での合意は難しいとの論調が多い。会談に向けた準備時間が短かったこともあり、私も多くの参加者が考えるように大きな進展は期待しておらず、取り急ぎ協議を継続することで対中制裁関税第4弾を先送りするのが限界とみている。そうであればリスクオンの鮮度は低く、欧米豪をはじめ各国が利下げに舵を切るなか、日銀は次の一手が見えていない現状ではどうしても円が買われやすい。イベント前ということもあって米ドル/円が瞬間的買われることはありそうだが、米中会談で電撃合意でもない限り、上がり続ける相場ではない。日足のチャートを見ると21日移動平均線の差し掛かる108円付近まで、引き付けて売れるのであればきれいだが、戻りを待つ展開がなければ107円ミドルでも戦えるだろう。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。