2019年6月28日9時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日27日(木)のS&Pは5日ぶりに上昇。明日29日(土)、30日(日)に行われる大阪G20での米中首脳会談での休戦期待が高まったことが要因。しかしウォール・ストリート・ジャーナルによれば、中国が休戦条件のひとつとして上げているのがファーウェイの技術に対する米国技術売却禁止を米国が撤回することを求めているとのこと。これを米国が撤回する可能性は低いと想定されるため、米中首脳会談は協議を継続するといった内容で終わるのではないかと想定している。米中首脳会談後はリスクオフ相場が再開される可能性が高いと想定しているが、逆にいえば短期では首脳会談を控えて、リスクオフポジションが買い戻される可能性も高いともいえる。
現在の為替相場の戦略やスタンス
西原氏が常時チェックしているチャートであるデマーク・インディケーターは先週で9-13-9を終了して、豪ドル/円のボトムアウトを示唆。このサインは先週から気がついていたが、豪ドル/円が反発するイメージをなかなか描けなかった。しかし、週初に豪ドル/米ドルがRBA総裁のタカ派なコメントで反発を開始。RBA総裁のコメント以降、マーケットには様々なヘッドラインが流れるも、豪ドル/米ドルはほとんど押し目をみせておらず、結局節目の0.7000ドルを回復した。豪ドル/ドルはもう一段反発する可能性も。一方、米ドル/円が年初来安値を更新するも106円台を維持できなかったことから反発(1月3日のフラッシュ・クラッシュ時の安値を除くと年初来安値は107.11円レベル)。米ドル/円の年初来安値の水準では本邦機関投資家のドル買いも観測されており、107.00円レベルは極めて重要なサポートであること。加えて本日28日(金)は米ドル/円の107.50円にオプションサイドからドル買いがまとまって出る可能性があることもあり、米中首脳会談を控えて、米ドル/円はポジション調整による反発で108円台を回復する可能性が高く、戻り待ち。ただG20を控えてリスクコントロールには十分注意したいところだ。
西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。