銀行が資産運用のツールとして用意している商品はいくつかありますが、その中でも投資信託は代表的な運用商品です。投資信託を銀行で、特にネット銀行以外の対面銀行で買う場合の注意点をご紹介します。

投資信託のメリットとは

銀行,投資信託
(画像=PIXTA)

投資信託は運用未経験の方が、まず検討したい運用商品です。まずは投資信託のメリットを確認していきましょう。

少額からでも始められる

投資というと、まとまった資金がないとできないと思いがちですが、投資信託は多くの銀行で1万円程度から買うことができます。

少額投資でも、大きく投資している方と比べ不利になることはありません。投資信託は購入金額に応じ口数が割り当てられ、その運用効果は口数に応じ等しく投資家に反映されます。投資信託を100万円買う人も1万円買う人も平等な扱いが受けられますから、まず少額で資産運用をスタートしてみたいという方にはぴったりです。

投資対象が豊富

投資信託は投資家から広く資金を集め運用を行います。これにより、海外の株式や機関投資家向けの長期国債など、個人ではちょっと投資しにくいような商品にも投資が可能となります。

分散投資が容易

分散投資とは、投資対象を分散させることでリスクを低減させる投資戦略です。分散投資は個別商品で行うと必要な資金が大きくなりがちです。仮に時価総額の大きい順に3銘柄に分散投資する場合を考えてみましょう。

2019年4月末時点での時価総額上位3銘柄はトヨタ、ソフトバンクグループ、キーエンスで、株価はそれぞれ6,905円、1万1,555円、6万9,120円です。株式は100株単位の売買なので、約876万円もの資金が必要になってしまいます。

投資信託なら、多くの銘柄を小口で配分しているため、分散投資も簡単に行えます。

投資信託を買う銀行選び 3つのポイント

銀行で投資信託を買う場合、まずは投資信託を買うに適した銀行かどうかチェックしましょう。

取り扱っている投資信託の種類

投資信託は金融機関ごとに取り扱い銘柄が違います。手数料が掛からないノーロード型や、より分散投資効果が期待できるバランス型などの投資信託があるかチェックしましょう。

利用しやすい環境かどうか

せっかく相談できる対面銀行ですから、相談しやすい環境が整っているかチェックしましょう。土日でも営業しているか、他人の視線を遮る相談専用のスペースが設けられているかといったことを確認します。

普段から利用している、または信頼できるアドバイザーが在籍しているかどうかも重要ですね。

つみたてNISA、iDeCoの提供有無

運用するなら是非利用したい「つみたてNISA」や「iDeCo」といった有利な制度も、金融機関によっては手数料が不利であったり、そもそも実施していなかったりする場合があります。事前に確認しておきましょう。

投資信託の「目論見書」で見るべき3つの項目

投資信託を買う銀行が定まれば、次はいよいよ投資信託のチェックです。投資信託には必ず「目論見書」という説明書のようなものが付いていますので、投資の前にチェックします。目論見書では最低限以下の3つの点を確認しましょう。

投資信託の中身

目論見書には投資信託の運用方針、つまり「こんな風に運用しますよ」という指針が記載されています。この運用方針を確認し、投資判断を行いましょう。どのようなリスクがあるかも記載されていますので、そちらもしっかり確認することが大事です。

また、実際にどんな銘柄に投資して、どんな値動きになったかを記載した「運用報告書」も参考になると思います。

手数料

目論見書には手数料も記載されています。運用期間中のコストである「信託報酬」や解約時の実質的なコスト「信託財産留保額」をチェックします。当然手数料は安い方が有利です。

信託期間

投資信託には信託期間が設定されている可能性があります。信託期間の終了日が近い銘柄に投資するのは買付手数料負担や資金効率の面で非効率です。できるだけ期間の長いもの、できれば無期限のものを選択しましょう。

銀行で投資信託を買ったら

納得できる投資信託に出会い投資することができたなら、投資信託を保有する上の心構えを身に付けましょう。

まず、変動に一喜一憂しないこと。投資信託は価格が毎日変動します。上昇すれば下落もしますが、その短期的な値動きに反応し過ぎないようにすることが大切です。そして、投資信託は買付の際に手数料が掛かる場合があり、すぐに売却していては手数料の負担が増してしまうため、できるだけ長期保有を心がけましょう。運用効率を高める複利効果も、長期運用することで高まりますね。

銀行+投資信託で資産運用を

銀行は身近なお金の専門家ですから、上手に活用したいものです。普段から利用している銀行で資産運用まで相談できればとても便利ですよね。しかし、あくまでも投資は自己責任で行うもの。しっかり知識を身に付けたうえで、最適なアドバイザーをさがしましょう。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)/fuelle

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