先週の大麻セクターにおける最大のニュースは、キャノピー・グロースのブルース・リントン共同最高経営責任者(CEO)が辞任を表明したことだろう。世界最大の大麻企業の創設者である同氏は3日、米飲料大手コンステレーション・ブランズ(NYSE:STZ)の圧力を受けた取締役会により、退任に追い込まれたのである。
リントン氏の辞任について、これがキャノピー・グロース(NYSE:CGC)(TSX:WEED)の最新収益を受けてのものだと指摘するものもいる。先月発表された決算報告では、3億3560万カナダドル(2億5583万米ドル)の純損失が明らかとなり、コンステレーション・ブランズに忍耐を強いる結果となった。
マーク・ゼクリン前共同CEOが新たに単独CEOに就任し、キャノピー・グロースの株価は大きく揺れ動いた。リントン氏の解雇が明らかになった際、同株は約3.6%(1.44米ドル)急落し、39.095米ドル(59.40カナダドル)の安値まで下げたものの、先週末までに最大40.16米ドル(52.63カナダドル)にまで反発している。
コンステレーション・ブランズは、同社が今回の改革に携わっていたことを示唆するかのように、ゼクリン氏を単独CEOに任命したキャノピー・グロースの決定を支持する声明を発表した。
大麻セクターの改革
カナダ紙の一面を飾ることとなったリントン氏の辞任は、キャノピー・グロースにおいては最大の改革であることに疑いはないが、大麻セクター全体においては一企業の改革にすぎない。
同セクターではトップの交代が頻繁に起こっており、もはや一つの潮流となっている。今回の一件も間違いなく、そのうちの一つであると言えるだろう。
大手大麻企業のトップは、創業者から第2世代へと移り変わりつつある。そしてこの変遷以降、各企業は規模の拡大に対応するように収益性を重視するようになった。これは同セクターが成熟しはじめた証と言えるだろう。
この数ヶ月で多くの大手大麻企業がキャノピー・グロースと同様にトップを入れ替えた。そして多くの場合、入れ替えられたのはその企業の創業者であった。
オーロラ・カンナビス
例えばオーロラ・カンナビス(NYSE:ACB)(TSX:ACB)も、2月に共同創業者のテリー・ブースCEOを差し置いて、マイケル・シンガー氏をより上位の会長に任命した。
ブース氏は2013年にカナダ政府が医療用大麻の規制を始めた際、エドモントに同社を設立した。彼は同社を一から作り上げたのである。
彼は当初100エーカーの敷地しか保有していなかった同社を、5大陸24ヵ国に展開する、時価総額75億2000万米ドル(98億5000万カナダドル)の大企業にまで成長させた。
アフリア
オンタリオに拠点を置く医療用大麻メーカーアフリア(NYSE:APHA)(TSX:APHA)は2018年12月末に、オーガニックフード生産企業ハイン・セレスチャルのCEOを務めたアーウィン・サイモン氏を暫定CEOとすることを発表した。彼の前任であったVic Neufeld氏は、5年に及ぶ会社経営が健康や私生活に負担がかかるとして辞任した。
2013年初頭から2018年の終わりまで、アフリアの株価は0.50カナダドルから7.85カナダドル(2.67米ドルから5.69米ドル)へと成長した。現在、アフリアは5大陸10ヵ国に展開する大手大麻企業となっており、その時価総額は16億9000万米ドル(22億2000万カナダドル)に上る。
キャン・トラスト・ホールディングス
同様に、キャン・トラスト・ホールディングス(NYSE:CTST)(TSX:TRST)も昨年秋にPeter Acetoを新CEOに任命した。創業者で前CEOのエリック・ポール氏は理事長兼特別顧問に就任した。
ポール氏が退任した後、ブラッド・ロジャース前社長とMichael Revensdale生産部長の二人が退任した。
同社は8日、オンタリオ州ペンハムにて行っていた栽培事業が保健省の規制に違反していたことをスクープされた。同社は2018年10月から今年の3月までの間に、5つの部屋で認可を取らずに温室栽培を行っていたという。
この期間、同社は保健省への申請を保留しており、4月からはこれら5つの部屋での栽培が可能となる予定であった。しかしこの報道を受け同社の株式は22%以上急落し、3.83米ドル(5.00カナダドル)で終値を迎えた。(提供:Investing.comより)
著者:Brenda O'Farrell