2019年7月17日11時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
今週15日(月)祝日からの週前半、為替市場で動意をみせたのがポンド。ポンドが一時1.2397ポンドまで下落。これは2017年4月以来の安値。ポンド下落の背景はイギリス次期首相候補のEU離脱姿勢に警戒感が高まったこと。昨日16日(火)のロンドン外国為替市場では、ポンドがドルとユーロに対して2日続落。主要通貨の中で最大の下落率となっている。3~5月の賃金上昇率加速が明らかになったが、次期首相候補らの欧州連合(EU)離脱を巡る姿勢にトレーダーは神経質になっている様子だ。次期首相候補のジョンソン前外相、ハント外相ともアイルランド国境に厳密な審査を伴う検問所の設置回避を保証する「バックストップ」条項をEUとの離脱合意から取り除くことを目指すと表明。この発言を受けて、ポンドにはアジア時間から売り圧力がかかっていた(出所:ブルームバーグ)。さらには保守党議員で元法務長官のドミニク・グリーブ氏は議会が合意なきEU離脱を阻止するのは難しいだろうとしつつ、その追求には政府閣僚が反対し、政権崩壊につながるリスクが高まるだろうと指摘したことも、ポンドの下落を加速させた。
現在の為替相場の戦略やスタンス
先週のパウエルFRB議長の議会証言以降のドル安の流れが、この英ポンド/米ドルの下落(ドル高)でいったん沈静化された形。ただ英ポンド/米ドルが100pips下げようが、米ドル/円は109.15円、豪ドル/米ドルは0.7015ドルと、引き続きドルは弱い展開。中期の流れは米ドル/円、豪ドル/米ドルともドル安の流れに。ただ短期的にはボリス・ジョンソン首相誕生の可能性が高まる中、ポンドが重い展開となっているので、ポンドがマーケットの注目を集めそうだ。
西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。