2019年10月に予定されている消費税率アップ。再延期のうわさもありますが、不動産投資・マンション経営を始めるなら、いずれにせよどのような影響があるのかをきちんと把握しておかなければならないでしょう。消費税増税で影響を受ける項目、実は影響のない項目について確認しておきましょう。

10月に消費税率アップ!その影響は?急ぐべき?
(画像=takasu / Shutterstock.com)

消費税率アップで影響がある項目・影響がない項目

8%から10%へと上がる消費税増税は、これまで二度に渡って延期されてきました。しかし、2019年10月の増税はほぼ確実と言われています。消費税増税が確定したわけではないですが、直前になって慌てることがないよう早めに準備しましょう。

消費税は、日本国内で事業者が行う金銭をともなう取引に対して課税されます。しかし、すべての取引が消費税の課税対象となるわけではありません。まずは不動産投資・マンション経営における、消費税の影響を受ける項目・影響を受けない項目を把握することが大切です。

消費税の影響を受ける項目として、まずマンションの購入費用やリフォーム費用が挙げられます。また、不動産会社に支払う仲介手数料や登記の際に司法書士に支払う報酬、賃貸管理を委託している場合の管理会社に支払う物件管理費なども消費税の課税対象です。

消費税の影響を受けない項目には、土地だけの購入価格や借入返済時の利息などがあります。また、火災保険料や固定資産税も影響を受けません。マンション経営をしている人の管理費や修繕積立金も、管理組合に支払うものであれば消費税の課税対象外です。

消費税がアップすると、支払いだけでなく収入にも影響があります。事務所用建物の賃料は消費税が課税されるためアップしますが、居住用建物の賃料は対象外なので変わりません。

事務所用建物を所有しているなら、消費税アップにともなう賃料見直しに関するお知らせを早めに準備しておきましょう。突然の賃料アップに対応できない事業者もいるため、事前に通知しておくことが重要です。

居住用としてマンション経営をしている場合は、誤って増税にともなう賃料見直しをしないよう注意しなければなりません。ただし、賃貸管理の管理費などの出費は増えることになります。これが損益にどの程度影響を与えるか、把握しておきましょう。

消費税率アップの経過措置とは?

消費税率アップにともない、様々な混乱や影響が予想されます。そのため、一定の経過措置が設けられます。代表的なものに、注文住宅に関する取り決めがあります。

消費税が課税されるのは、本来は引き渡し日が基準となります。そのため、たとえば2019年9月に売買取引を締結していても、不動産の引き渡し日が2019年10月だった場合、消費税は10%です。

しかし、住宅だと契約から引き渡しまでに時間がかかるケースが多く、特に注文住宅ではその傾向が顕著です。そのため、特例として2019年3月末までに契約を結んでいれば、工事の都合上引き渡しが2019年10月以降にずれ込んだとしても、消費税率は8%になるという経過措置が設けられました。同様の経過措置は、消費税が5%から8%に改正された時も適用されています。

慌てずに慎重な投資判断をすることが重要

消費税率アップが確定すれば、2019年10月以降に物件の引き渡しを受けたり、管理物件のリフォームを実施したりすると、消費税の負担が2%増えます。そのため、駆け込みで物件を購入したり、リフォームをしたりする動きもあります。

確かに、金額が大きい不動産投資において、2%という税率の差の影響は決して小さくありません。たとえば購入価格が2,000万円の建物であれば、10月以降に引き渡しを受けると消費税を40万円多く払うことになります。

しかし、数十万円の損得を気にするあまり、大局を見失うことがないよう注意しましょう。本当に魅力的な物件なのか、本当に必要な修繕なのかを見極めて、投資判断は慎重に行うよう心掛けましょう。(提供:ヴェリタス・インベストメント

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