2019年7月17日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日16日(火)に発表された米小売売上高が良好だったことで米ドル/円は108円台を回復している。しかし、今月に入り米雇用統計、米消費者物価指数、米小売売上高と米国の重要経済指標はことごとく良い結果を残しているが、FRBの利下げ路線は何も変わっていない。本日17日(水)正午12時00分時点でCMEのフェドウォッチを見ても7月FOMCは100%の利下げを織り込み、9月も70%以上の利下げを織り込んでおり、好調な米経済もFRBにとってはどこ吹く風だ。FRBの言う「予防的利下げ」に個人的な違和感はあるが、すでに連続利下げが既定路線となっていることから7月末のFOMCまではこの材料を追いかけていくしかなさそうだ。一方でポンドの下落が止まらない。次期英首相候補のジョンソン氏とハント氏の両氏がアイルランド国境問題に関するバックストップについて、期限が設定されても受け入れないとの意向を示したことで「合意なき離脱」の可能性が高まっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

バブル覚悟でもFRBが予防的利下げを行うのであれば、やはり米ドル/円はFOMCまでダウンサイドを何度かテストすることになりそうだ。また、各国が通貨安戦争に踏み切る中、金融緩和のカードが日本にないことも、引き続き円高リスク。昨日16日(火)の高値108.30円付近や、ここを上抜けても先週12日(金)の高値108.60円付近がレジスタンスとして意識されるとみている。英ポンド/円は若干行き過ぎな気もしており、素直に下方へ安値更新してくれる展開があるなら短期でついていくが、それ以外は先週までもみ合っていた135円ミドルあたりを戻り売りのポイントとして待ちたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。