2019年7月26日9時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日25日(木)のECBは予想通りハト派なスタンス。まず、政策金利は据え置き。フォワードガイダンスの文言を変更し、9月の利下げを示唆。少なくとも2020年上期中は金利が現行「またはそれ以下」の水準にとどまると表明。加えて量的緩和を再開する計画や、日銀のように金利階層化の選択肢も検討するとした。さらにドラギECB総裁は、見通しは悪くなる一方だと述べ、大規模緩和の必要性を示唆。グローバルに金融緩和が進む中、ECBも金融緩和合戦に参加。短期的な動きは、ECBの発表に向け、ユーロが売り込まれ、発表後に反発。ユーロ/米ドルの安値は1.1102ドル。1.1100ドルにバリアでもあるのか、ブレイクできずいったん反発している。ユーロ/円は事実買い(buy the facts)の動きが激しく、120.05円の安値をつけた後、121.38円まで反発している。米国株は下落。前日の決算が嫌気され、テスラが急落。決算発表が相次ぐ中、S&Pは最高値から反落。NYダウは0.5%下落し、2万7140ドルでクローズ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ECBが終了し、来週は今月最大のイベントであるFOMCが31日(水)に予定されている。ECBの緩和スタンスに向け、ユーロがじり安の展開となっていたので、この流れから考えるとFOMCにむけては、ドル安に傾く公算が高まっている。ただ、ユーロはECBの緩和スタンス、ポンドは合意なき離脱懸念から、クロス円の上値が徐々に限定的になるのではないかと想定している。ボリス・ジョンソン英首相誕生で、合意なき離脱懸念が拡大していることを背景に、英ポンド/円の戻り売り継続で臨みたい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。