• 2019年度第4四半期(4-6月期)決算報告が7月30日の市場寄付き前に予定されている
  • 予想売上高:168.6億ドル
  • 予想EPS:1.05ドル

プロクターアンドギャンブル(NYSE:PG)の株価予想から判断する限り、30日に予定されている同社第4四半期(4-6月期)への投資家からの期待は厚い。

同社株は過去12ヶ月で40%高を超える上昇を見せており、競合他社とS&P 500をアウトパフォームしている。26日の終値は114.73ドルを記録し、12ヶ月コンセンサス目標株価である110ドルを上回って取引されている。実績基準PERは27.54となっており、過去5年間で最高水準となっている。

P&G
(画像=Investing.com)

同社売上高の堅調な成長と、再建戦略の成功がこの高い成長期待に寄与している。同社は4月の第3四半期(1-3月期)決算報告で、値上げと発展途上国市場における収益成長に支えられ、8年間で最大の四半期売上高成長を計上した。

加速する成長

デイビッド・テイラーCEOの下、同社はブランド数を175から65へと削減し、利益率の高い10の製品カテゴリーに集中している。その過程で、事業譲渡・工場閉鎖などにより34000人規模の解雇を行い、100億ドルのコスト削減を行っている。

これらの経営努力は投資家に報いる形で実を結んでいる。第3四半期(1-3月期)オーガニック売上高(為替差損益、M&A等の影響を売上高から控除したもの)は、5%増加する結果となった。同社売上高は、3四半期連続で堅調に成長している。同売上高増加5%の内、値上げと前年同期比で増加した輸出量増加がそれぞれ2%を占めていると同社は発表している。

同社はこの勢いを維持することができるのだろうか。同社が消費者のブランドロイヤリティ低下に巧みに対応した事を踏まえると、その可能性は非常に高いと考えられる。例えば同社美容部門は、SK-IIスキンケア製品の爆発的な成長により好調なパフォーマンスをみせている。同部門の第3四半期(1-3月期)オーガニック売上高は9%増となっている。また、ヘルスケア、ファブリック・ホームケア部門も増加している。

P&Gの次期通年見通しを楽観視できるもう1つの理由は、同社製品価格の上昇成功が予想されているからだ。同社は値下げにより成長を図っていたものの、その施策は失敗に終わったため、昨年夏からは段階的な値上げを始めている。この値上げは2月には完了する予定で、Pampersなど同社の主力ブランドを含む製品の価格が4-10%値上げされる。

総括

P&G株は、インカムゲインを求める投資家にとって引き続き推奨銘柄だ。米国市場でも最高水準の高配当株で、そのトラックレコードは類を見ないほどだ。同社は62年連続で増配を行っている。今や成長が再び軌道に乗ったことで更なる増配も見込まれ、同社を見放す理由はほとんど見当たらない。(提供:Investing.comより)

著者: ハリス アンワル