ファッションブランドでは現在、環境問題やサステイナブル(持続可能な)的な観点から、さまざまな対策が行われています。その中でも注目したいのは、アディダスが発表した、100%リサイクル可能なランニングシューズです。有名ブランドのエコな取り組みや、リサイクル可能なアディダス・スニーカーについて解説します。
美しいファッションの表と裏
私たちの毎日をおしゃれに彩ってくれるファッションですが、知らないうちに地球環境の悪化の一因を担っている場合があるのはご存知でしょうか。例えば、コットンTシャツの原料である綿の栽培には、一般的に多くの化学肥料や防虫剤を必要とします。それによって土壌や河川などが汚染され、生態系への影響が懸念されているのです。
さらにファッション業界ではシーズンごとに流行が生まれるため、多くの廃棄物が出ています。特に、ラグジュアリーブランドはブランド価値を守るために、売れ残った商品が市場に出回り安値で取り引きされることを避けたいという思いがあるようです。とはいえファッション業界が、環境対策をしていないわけではありません。
地球の未来を守るために、ファッションブランドが実施していること
イタリアのラグジュアリーブランド「グッチ」は、2018年の春夏コレクションから動物のファーを使わない「ファーフリー宣言」を行いました。このようにグッチやイヴ・サン=ローランなどを擁するケリンググループは環境保護活動に熱心に取り組んでいます。同グループのブランドでは皮革を多く使っています。そこで皮革の処理を行う際に、水やエネルギーの過剰消費を減らすために「メタルフリー製」の皮革処理を開発しました。
またイギリスを代表するブランド「バーバリー」も、リアルファーの使用を一切しないと表明し、既存の商品でリアルファーが使われているアイテムも段階的に廃止する意向を示しています。さらに売れ残り品などの廃棄処分も中止しました。これらは再利用するか、寄付を行うと明言しています。
ファッション界をリードするラグジュアリーブランドは、率先してサステイナブルな観点から、地球環境を守る取り組みを行っているのです。
ではアディダスのランニングシューズは、なぜ注目されているのでしょうか。
アディダスのランニングシューズのすぐれている点は?
これまではシューズをリサイクルする方法としては、寄付がメインでした。それは、シューズにリサイクルが困難な材料が使われていたためです。今回、アディダスが発表した「フューチャークラフト.ループ」(2021年春夏に一般発売予定)は、リサイクルを困難にする複合材料を使わず単一素材のみを使用し、さらに接着剤を使用しない稀有なシューズです。
100%リサイクル可能なランニングシューズを作るために、アジアやヨーロッパ、北米など多くの国のパートナーと協力する必要がありました。こうして実に10年もの歳月をかけて、完成させたシューズなのです。
リサイクルする際は、まず使用者がフューチャークラフト.ループを、アディダスに返却します。返却された製品は、洗浄後に分解されて新しいシューズ用の素材として生まれ変わります
同社は2024年までに100%リサイクルされたポリエステルを全商品に採用することを公約しています。今後の展開も目が離せないブランドといえるでしょう。
これからは消費者もエシカル(倫理的)な視点を持って
日々の生活の中で地球環境について考える時間は、そう多くはないかもしれません。しかし数十年前の気候と現在の気候では、変わってきていると感じたことはないでしょうか。だからこそ消費者は、エシカルな視点を持ち、地球環境に配慮した商品を選んでいくことが大切です。
ラグジュアリーブランドやアディダスの取り組みは、賛同者がいなければ成り立ちません。少しでも地球環境に配慮した選択をしていきましょう。(提供:JPRIME)
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