昨今、テクノロジーが飛躍的に進化していることから、田舎暮らしに不便を感じることは少なくなってきました。しかし、人には長年培った固定観念があるため、田舎暮らしは難しいものと決めつけてしまいます。
能登半島の穏やかなベイエリアの小村・岩車をモデルに、今の時代背景を踏まえ「現代版の田舎移住のメリットとデメリット』を解説します。東京から人口約290人の農山漁村へ移住した場合のメリット・デメリットとは。
田舎移住のメリットは?
日々豊かな自然環境に囲まれて
都会では、自身の周囲で常に車、電車、人などが、物音をたてて、いそいそと動いています。視界に入ってくるものは、知らぬ間に頭を疲労させます。そのような背景からか、多くの人は休暇をとり、東京を抜け出して、心に安らぎをくれる自然と触れ合うために田舎へと旅に出かけます。
一方、田舎は自然との共存です。車や人通りが少なく、天気や四季で周囲が反応、基本、動きがスローです。
田舎都会問わず、エグゼクティブは日々仕事で忙しいでしょうが、田舎は常に自然環境に囲まれているので、疲れた心や体が癒やされます。気が散るものもありません。夜もぐっすり寝られます。
「生きる」を自身で築ける
田舎には自給自足ができる自然環境があります。空き家を畑込みで借りられ、購入することもできます。畑で野菜を育て、海では釣りができ、生きる根源となる食材を自給することができるのです。地元農家や漁師から、新鮮な食材を購入することも可能です。
都会の場合、店に「生きる」を頼りますが、田舎では独自で「生きる」環境を築くことができます。もちろん、食品・日用品を扱う通常のスーパーもあります。そこで足らないものはインターネットで注文、ほとんどの品物は数日以内に到着します。
賃貸物件が広い
賃貸物件数や相場は異なりますが、岩車周辺地域の家賃は月3万円以内。6~8部屋の家に加え、ほとんどの場合、納屋や駐車場がついてきます。空き家の改築はほぼ自由、数百万円投資することで、居心地が良い空間を造ることができるでしょう。
車移動で渋滞なし
公共交通機関のインフラはほぼ未整備なので車移動です。田舎では渋滞がそれほど発生しないので、車でストレスなく移動することができます。
東京へわずか2時間
今回のモデル地区岩車の場合、能登空港まで約1時間、東京羽田までの飛行は1時間弱です。これまでの在住場所や実家などが東京近辺であれば、わずか2時間で帰郷できます。移住した本人、東京にいる友人や家族も比較的気軽に行き来できる範囲です。
学校が小規模
田舎の学校は生徒数が少ないため、家庭教師のように先生が生徒個人個人に勉強を教えてくれます。田舎の教育や自然環境から、子供の感受性が伸びる例も多々見受けられます。
田舎移住のデメリットは?
テクノロジーの進化により、従来挙げられていた田舎移住のデメリットの多くは解消されました。そんな中、現在、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
親しい友人や家族がいない、人が少ない
移住先では、人間関係の構築がほぼゼロからのスタートなので、新しい仲間を見つけるのに時間がかかります。また、田舎では人口減少が加速しているので、“近所”が減ることに寂しさを感じることがあります。
独自の空き家探し
不動産会社は小さな村の空き家状況を把握していないため、独自で賃貸物件を探さなければいけません。移住先のキーパーソンたちと信頼関係を築き、人づてで物件探しを行うので、賃貸までに時間がかかることがあります。家主は、地域との馴染みを気にかけ、見知らぬ人にはそう簡単に家を譲りません。
また、多くの空き家が綺麗ではないので、家の清掃から維持管理まで、自分で行うケースがほとんどですが、必要に応じて、清掃業者にお願いすれば片付くことでしょう。
虫が多い
田舎は自然が豊かなので、虫が多いのは当たり前ですが、ときに対処に困ります。1~2匹程度であれば楽ですが、家に何十匹もの虫が入ったとき、その対応に労力がいります。
春や秋になると、多いのがカメムシ、その他にゴキブリやムカデも1ヵ月に一回程度出現しますが、家を改築することで、隙間は埋まり、虫は減ることでしょう。しかし、外には変わらず虫が多いので、根本的に虫が苦手な人に田舎は向きません。
ポジティブ思考に勧める田舎での生活
病院・店などのライフラインがないといった従来のデメリットは、今やテクノロジーの進化により解消されつつあります。人間関係の難しさについては場所問わず起きることで、デメリットとして挙げるほどではないでしょう。
物事をマイナスに捉える癖のある人が無理して田舎暮らしをすると、逆に嫌気を感じ、後から大変な後悔をすることになります。
考え方を芯からポジティブに切り替え、自らデメリットに対する解決策を見つけて実行に移せるならば、田舎移住はメリットばかりです。さらに、住居環境に投資を行うことで、心は優雅になり、多くのデメリットが解消されるでしょう。
田舎移住は、現地で感じたデメリットをポジティブな視点で捉え直し、解消に向けて取り組める人に向いているでしょう。まずは週末のみなど、セカンドハウス的位置付けで検討してみてはいかがでしょうか。(提供:JPRIME)
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