2019年8月2日8時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日1日(木)日本時間未明、FOMCはコンセンサスどおり25bp(0.25%)の利下げを決断。さらに年内に追加利下げに動く可能性を示唆。しかしパウエルFRB議長は長期にわたる一連の利下げの始まりではないとコメント。これでNYダウが一時400ドル超下げると、次にパウエルFRB議長が「一度きりの利下げではない」とコメント。そのため株の下落幅は縮小するも、その日、7月31日(水)のNY市場は333ドル安で終了。ただ1日(木)の米国株は続落。影響が大きすぎるといわれていた対中制裁関税第4弾だが、トランプ米大統領が発動するとツイート。制裁関税の対象となっていない中国からの輸入品3000億ドル相当に10%の関税を課すと発表した。9月1日から適用される予定。

現在の為替相場の戦略やスタンス

トランプ米大統領の新たな対中関税発言に呼応して米国株は続落。NYダウは1%下落し、2万6583ドルでクローズ。ブルトラップとなって米国株はトップアウトした公算が高まっている。米10年債利回りは急落し、1.90%。結果、リスクオフマーケットとなり、米ドル/円、クロス円は急落。そのクロス円の中でも下げ足を早め今週も注目が集まっているのが英ポンド/円だ。先週組閣されたブレグジット強硬派内閣だが、組閣以降、合意なき離脱に関するコメントを繰り返し表明している。加えて、英財務省は一昨日7月31日(水)、欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」に備えるため、21億ポンド(約2780億円)を新たに確保すると発表。そしてイギリスの中央銀行であるBOEも「合意なき離脱」に備えて「利下げへ」シフトするとの観測が増えてきた。呼応して英ポンド/米ドルは続落。リスクオフマーケットの環境下、米ドル/円も急落していることから、今週の英ポンド/円はすでに4円50銭ほど急落しており、本日2日(金)朝8時時点で130.30円で推移。125円に向けて続落している英ポンド/円の動向に注目したい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。