6月の雇用統計では市場予想が16万人増であったのに対し、22万人増と大幅に予想を上振れした。しかし、今回の雇用統計は前回の伸びからは鈍化することが予想されている。
7月雇用統計の市場予想
- 非農業部門就業者数 16.9万人増
- 失業率 3.7%
- 平均時給 前月比 +0.2%、前年比 +3.1%
日本時間8月2日午前2時26分に、トランプ米大統領は自身のツイッターで「9月1日からいくつかの中国製品に10%の関税を課す」ことを表明した。これを受け、円買いが加速しドル円は大幅に下落している。また、株式市場も連日の大幅安となっている。
BKアセットマネジメントのキャシーリアン氏は、もし7月雇用統計が市場予想を下回る低調な内容であった場合、良い結果よりも大きくドルに影響を与えるという。トランプ氏の追加関税の表明の後で、リスクオフのセンチメントが加速する形だ。また、今夜の雇用統計を機に市場が続落し調整局面入りとなる場合、FRBは追加利下げを検討せざるを得なくなると言う。
また同氏は、良い結果であった場合はこのリスクオフのムードを打ち消すだけに留まり、もし市場予想と一致したとしてもドルは続落すると予想する。具体的には前月比17万5000人増を下回り、平均時給が前月比0.2%に留まる結果であった場合、ドル円のサポートラインの106.78円を試す可能性があるという。一方、20万人を超える結果の場合はドルは上昇するが、限定的だと予想する。
雇用統計が強いと予想する根拠
- ADP(7月)は15.6万人増(前月11.2万人)
- 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード、7月)は8ヶ月ぶりの高水準
- ミシガン大 消費者信頼感指数(7月、速報値)は僅かに上昇
- 新規失業保険申請件数 4週平均(7/27までの週)は21.9万から21.1万に減少
雇用統計が弱いと予想する根拠
- 前回の強い雇用統計の反動
- ISM製造業雇用指数(7月)は予想を下回る
- 新規失業保険申請件数(7/27までの週)は前週比は小幅に増加
- チャレンジャー人員削減数(7月) 1-7月合計で前年同期比35.8%増(提供:Investing.comより)
著者:Investing.com